日経コンピュータは、企業向けの情報システム関連サービスと製品の顧客満足度を評価する、「顧客満足度調査」を実施した。第12回目となる今回は、新たに「統合運用管理ツール」を対象に加え、計16分野について、ユーザー企業の“生の声”を聞いた。

 調査結果で目を引くのは、サービス分野における日本ユニシスと日本IBMの強さ。「ITコンサルティング/上流設計関連サービス」と「システム構築関連サービス」の2分野で両者が競り合い、僅差で日本ユニシスがトップに立った。上流工程のサービスは国産大手ベンダー各社も注力する分野だが、顧客の満足度にはつながっていない。一方、「システム運用関連サービス」ではNECフィールディングがトップになり、“地の利”を生かした格好だ。

 ハードウエアでは、クライアント・パソコンで東芝が、パソコン・サーバーとUNIXサーバーでNECがトップになるなど、国産ベンダーが健闘した。特にUNIXサーバー分野では昨年から順位が大きく入れ替わり、2位に日立製作所が浮上。前回1位の日本IBMは4位に、同4位の富士通は6位へ順位を下げた。しかも、上位3社が扱うUNIXはいずれも「HP-UX」となり、HP陣営の強さが際だった。

 ソフトウエアに移ろう。RDBソフトではマイクロソフトや日本IBMといった外資系が上位を占めるものの、Webアプリケーション・サーバーはNECが、統合運用管理ツールは日立が、グループウエアはサイボウズがそれぞれトップに立ち、国産勢が健闘した。いずれも、サポートに対する満足度が順位に大きく影響している。「障害は発生するにしても、できるだけ早期に復旧させ、業務の停止時間を最小限に抑えたい」といったユーザー企業の考え方が広がっていることの表れだといえる。

 調査結果の詳細は、日経コンピュータ8月20日号に掲載している。なお,今回の調査は大手から中堅・中小企業に至る1万3624社の情報システム担当部門を対象に2007年4月~6月に実施。1565社からの有効回答を基に、顧客満足度を算出した。

 サービス関連分野については、総合満足度と継続意向度(次回もサービスを利用したい度合い)を、ハードウエア/ソフトウエア製品分野については、それらに加え、製品そのものに対する満足度とサポート・サービスに関する満足度も分析している。

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(市嶋 洋平=日経コンピュータ,矢口 竜太郎=日経コンピュータ