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小林雅一の世界最新ITウォッチ

爆発的広がりを見せるソーシャル・メディア(前編):中身の無いコミュニケーションがなぜ若者に広がっているのか?

2007/08/07 ITpro

 ソーシャル・メディアと総称されるITツールが,昨今,爆発的な広がりを見せている。Wikipediaによればソーシャル・メディアとは,多数の人々が様々なコンテンツや意見,経験などを共有するためのツールのこと。そこにはWikipedia自身やブログ,SNS,あるいは動画共有のYouTubeや写真共有のFlickr,仮想世界のSecond Lifeなど多種多様なサービスが含まれる。しかし最近では,あまりの拡大の速さに,その目的が従来の尺度では測りきれないツールも登場している。中でも今回紹介する「Twitter」とリアルタイム日記は,不可解と思われるほど意味のない書き込みの連続だ。前編では,それらの実態を見た上で,無意味さの持つ意味を考えてみよう。


 「一体,こんなものを何に使うのだろう」――。 Twitterと呼ばれるコミュニケーション・ツールを初めて見たときの,偽らざる感想がそれである。2006年12月,米国シリコンバレーの新興企業を巡る取材旅行に出かけた際に,目にした数々の新サービスの中で最も腑(ふ)に落ちなかったサービス。それがTwitterだった。ところが,その後,米国ではNew York Times紙など主要メディアがこぞってTwitterを取り上げ,一気に認知度が高まった。最近では日本でも,先進的なITユーザーの間では高い関心を集めたり,実際に使われたりしている。

 Twitterをパソコンから使う場合,ディスプレイ上に表示される「What are you doing?」というプロンプトに対し,ユーザーが1,2行の短い返答をすると,それがユーザー自身のTwitterサイトに反映される。それらは,たとえば「今,起きた。まだ眠い」「これから残業だ」など,ほとんどが平凡な日常の記録である(Twitterは米国内で開発された当初から,日本語をはじめ外国語での書き込みが可能となっている)。Twitterのユーザーは,1日にかなりの頻度(時には数分,数秒間隔)でこれをやっている。冒頭に記した私の感想は,このあたりに由来する。要するに,確たる目的の無い記述を羅列することに何の意味があるのか。それが,すぐには理解できなかったのである。

 Twitterでは,こうした短い書き込みを,携帯電話やBlackberryなどの携帯端末から,SMS(Short Message Service)を使って行うこともできる。これと同時に,Twitterサイトへの書き込みは,いっせいに自分の友達の端末にも配信される。このように親しいサークルの内部で,Twitterへの書き込みを互いに見合うことで,今この瞬間に,各人が何をやっているか,どんな状況にあるかを知ることができるのだ。

ブログとIMの中間的なサービス

 Twitterの開発者Jack Dorsey氏によれば,Twitterはブログとインスタント・メッセンジャー(IM)の中間的なサービスであるという。「本質的にはブログのようなジャーナル(日常の記録)だが,IMのような会話にも限りなく近い。その売り(selling point)はスピードと手軽さ,そして常に誰かとつながっている,という感覚だ」(Dorsey氏)。

 Twitterは,いわゆるライブ・ジャーナルやマイクロ・ブログと呼ばれる,実況性の強いブログ・サービスの一種である。Dorsey氏によれば,Twitterはこうしたライブ・ジャーナルの実況性をさらに高めたサービスだという。同氏が最初にこのアイディアを思いついたのは2000年7月のことで,それから5年をかけて実用化に漕ぎ着けた(同氏のFlickrのページ)。

 Dorsey氏にインタビューした2006年12月時点で,Twitterのユーザー数は1万2000人,その年齢層は16~40歳だった。その後もユーザーは増加し,2007年6月のTwitterサイトへのユニーク・ビジター数は37万人を記録している(comScore Media Metrixの調べ)。

 米国では最近,NBCやCBSをはじめ,主要テレビ局が番組のプロモーションにTwitterを利用し始めた。たとえばドラマのディレクターや主演俳優が,Twitterユーザーに向けて番組の見所やメッセージなどを送るといった試みだ。Twitterのユーザーには,いわゆるブログスフィア(ブロガーたちの作り出す世論形成空間)に強い影響力を持つ先進的なブロガーが多く,彼らに働きかけることによって,バイラル(口コミ)マーケティング的にプロモーションを展開しようとしている。

日本でも利用者が広がってきたTwitter

 米国でのTwitterは元々,外出先から携帯端末を使ってサイト上に書き込む機能があったが,日本では,こうしたモバイル機能は提供されていなかった。しかし日本人ユーザーの有志数名がこの機能を開発し,無料で公開。携帯電話からのアクセスが可能になったことで,日本でも利用者が広がった。

 米国と同じく日本でも,テレビ局などのマスメディアが番組プロモーション用にTwitterを使っている。たとえば東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は,毎週木曜日11時放送のIT報道番組「Blog TV」の制作過程でTwitterを利用し,レポーターが外出先から,取材の模様を逐次Twitterに書き込んでいる。視聴者がこれまで知りえなかった制作現場の裏側を見せ,視聴者の反応や意見をリアルタイムに番組作りに反映させるのが狙いだ。番組制作の責任者は,Twitterの使用感を次のように語る。

 「完全に同期型(のコミュニケーション)でもなく,かといって非同期型でもない。またSNS的な要素もある。これらの中間的なところが受けているのではないか。我々の使い方としては,取材スタッフが『今日は,次回放送する誰それさんのインタビューに来ています』といったメッセージを,逐次Twitterに書き込んでいる。一種のライフ・ログで,1日,2日使っただけでは,その面白さは理解できない。むしろ数カ月,半年と書き込みが蓄積されていき,後からこれらを振り返ったときに,自分の行動パターンや思考の流れなど,今まで気付かなかった何かが,急に浮き上がってくる。これがTwitterの面白さではないかと言われている」(TOKYO MX・編成局・報道制作部・プロデューサーの草場大輔氏)。

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