この期に及んで,と言われそうだが,ケータイを持っていない。携帯電話は持っているが,プリペイド・タイプなのでメール機能とネット機能は使えず,通話専用である。いわゆるケータイ・デバイドだ。

 先日,とあるペットボトル飲料を買ったらキャンペーンのシールが貼ってあった。URLが書いてあったのでそこにアクセスしたら,申し込みはケータイのみで可能とのこと。具体的にはケータイでアクセスして登録すると,ケータイ宛てにURLを記載したメールを送ってくるので,そこで申し込みをするということらしい。もちろん,企業のマーケティング・ツールとしてケータイの利用が活発になっていることは知っている。だが,10~20代をターゲットにした商品がほとんどだと思っていたので,自分が購入した商品でそうしたキャンペーンが行われているのを目の当たりにすると軽いショックを覚えた。

 その後しばらくして,知人のブログで,mixiに招待されたので登録しようとしたら携帯電話のメールアドレスが必須の入力項目になっていて,結局登録できなかったという話を読んだ。筆者がmixiに登録したときにはそんなことはなかったので,ついに“ケータイ格差”が発生したのかと思った。そこで筆者が実際にmixiに確認してみると,2007年3月27日以降「『mixi』登録時に,国内のフリーメールを中心とした一部のドメインをご利用いただいているユーザーの皆様に対して,携帯電話による認証をお願いしております」とのことだった。ただ,無条件に「登録には携帯電話のメールアドレスが必須」と言われても,先日のキャンペーンの件もあったので,それなりに納得してしまいそうである。

 キャンペーン懸賞に応募できなかったり,SNSに参加できない程度なら,ちょっと不便ですむかもしれないが,そうとばかりも言っていられなくなってきた。少し前になるが5月30日に,NTTドコモとKDDIが「気象庁が配信する緊急地震速報を携帯電話ユーザーに配信するため,特定エリアの携帯電話に一斉同報が可能な基盤をそれぞれ開発する」との発表をした。同日,ソフトバンクモバイルも同様の発表をした。災害発生時におけるケータイの利用についてはまだいろいろな問題があると思うが,こうなってくるとまるで,ケータイを使えるかどうかが死生を決しかねない勢いである。

 どれも今さらな話題で恐縮だが,読者の方々の中にもケータイ・デバイドを自覚している人はまだ少しはいるのではないかと思う。自らすすんでケータイを持っていない人もいるのではないかと思うので,そうした方々はどのように考えておられるのか,ご意見を伺ってみたいものである。とりあえず筆者は,現在登録しているプリペイドの金額を秋までに使い切ると思うので,そのときにケータイの購入を検討しようと思っている。ただ,機能やサービスが非常に多様化しているうえに,各社が矢継ぎ早に様々な割引プランを発表するなど,状況が非常に複雑になっている。さしたる目的も持たずに,デバイド脱却のみを目的としていたのでは,選択に難儀しそうである。