NTTコミュニケーションズ(NTTコム)がNOTEのリニューアルに合わせて展示を始めた「災害時安否情報共有サービス」。このサービスを使うと,災害時に迅速かつ確実に現地にいる人の安否を確認できる。サービス専用のWebサイトに安否を確認したい人の顔写真をアップロードすると,被災地で撮影した動画から作成した顔写真画像と照合し,一致すると思われる人物の写真とその撮影場所,撮影時刻を表示する。

写真1●「災害時安否情報共有サービス」のデモ場面
写真1●「災害時安否情報共有サービス」のデモ場面
左端にあるのは被災者を撮影するカメラ,その横にあるのがカメラで撮影した映像を送るパソコン。ここまでは被災地に設置するという設定だ。右側のパソコンは,一致する人物を探す「安否問い合わせ端末」。遠隔地にあるという想定で,これを使って人を探す。
撮影:的野 弘路

 避難所に設置したHDカメラで撮影したMPEG-2形式の映像を,カメラと接続したパソコンからNGN経由でサービス側に送る。このとき「高優先」のクラスでQoSが設定される。サービス側には,「避難者検出サーバ」「安否情報蓄積DBサーバ」「避難者照合サーバ」という3種類のサーバーが置かれている。避難者検出サーバは,NGNを使って送られてきた映像から顔写真を切り出し,いつどこで撮影されたかの情報を付加する。これを保管するのが「安否情報蓄積DBサーバ」というデータベースだ。ここに保管されたデータから安否を確認したい人を探すのが,「避難者照合サーバ」である。

 人を探すには,「安否問い合わせ端末」(これもパソコンである)から避難者照合サーバにアクセスし,探したい人の写真画像をアップロードする。同じと思われる人物が見つかれば,その写真と撮影場所,撮影時間を表示する。

 展示では,避難所にあるカメラの前を説明員が通って映像を撮影し,安否問い合わせ端末から説明員の顔写真をアップロードして照合。カメラで撮影した映像から切り出した画像が表示されるまでの流れをデモした。

動画●NTTコミュニケーションズが展示した「災害時安否情報共有サービス」

 人の顔を認識する部分には,グローリーの認識エンジンを採用。認識率は99%(1000人認識を試みて990人が正しい)だという。避難所に高画質なHDカメラを置き,NGNで送られた高い品質の映像を照合に使うことで,認識の精度を高めている。