NECビッグローブは,NGNインフラを使って流すハイビジョン映像をパソコンで楽しめる「PC向け高画質映像配信サービス」を展示している。従来はマルチキャスト配信だけだったが,7月のNOTEリニューアルからVOD(video on demand)サービスを追加した。

写真1●BIGLOBEストリーム for Windows Vistaの画面
写真1●BIGLOBEストリーム for Windows Vistaの画面
画面左が選択しているチャンネルの映像,画面右が選択したチャンネルの配信スケジュール。画面左の映像部分をクリックすると全画面表示になる。

 同サービスは,NGNのQoS(サービス品質)機能を使い,途切れのない安定した映像を視聴できる点が特徴である。Windows Media Video形式のフルハイビジョン映像を1920×1080の解像度で視聴できる。視聴には,同社が開発した専用クライアント・ソフト「BIGLOBEストリーム for Windows Vista」(写真1)を利用する。Windows Vistaから搭載された「Windows Presentation Foundation」(WPF)の機能を使用しており,スクリーンや番組表は3D(3次元)グラフィックで表示する(動画)。

動画●NECビッグローブが展示した「PC向け高画質映像配信サービス」

 NOTEのデモでは,マルチキャスト配信が3チャンネル,VODサービスが3チャンネルの計6チャンネルを用意した。コンテンツのビットレートはVODサービスが6Mビット/秒×2と12Mビット/秒×1,マルチキャスト配信が6Mビット/秒×2と3Mビット/秒×1。NGNのQoSは,マルチキャスト配信,VODサービスともにクラスB(高優先)に設定している。

写真2●ネットワーク構成
写真2●ネットワーク構成
構成図にはないが,NGN網内にはNTTが用意したSIPサーバーがある。
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 ネットワーク構成は写真2のようになっている。専用クライアントは,NTTがNGN網内に用意したSIP(session initiation protocol)サーバーを介して配信サーバーに接続する。配信サーバーには電話番号が割り当てられており,接続手順はSIPを利用した電話発信と同じイメージである。接続後は,配信サーバーから映像を直接ダウンロードする。QoSの要求もSIPで行っている。