写真●開いている複数のウィンドウを3D表示するWindows Aeroの「Windows フリップ 3D」。筆者が便利そうと感じているのは,これではなく普通の「Windows フリップ」
写真●開いている複数のウィンドウを3D表示するWindows Aeroの「Windows フリップ 3D」。筆者が便利そうと感じているのは,これではなく普通の「Windows フリップ」
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 一般向けにWindows Vistaが発売された1月30日から,ちょうど半年がたとうとしています。しかしこのWindows Vista,いったい売れているのかいないのか,人気があるのかないのか,はた目にはちょっと分かりにくいと感じています。

 Windows Vistaの発売日には,各地の販売店などで様々なイベントが催され(関連記事),一部のユーザーではありましたが,それなりに盛り上がりを見せました。その後,米Microsoftは発売後100日間でWindows Vistaのライセンスを約4000万本販売したと発表し,「Windows Vistaは,これまでで最も売れ行きのよいOSとなった」と述べています(関連記事)。

 その一方で,「Windows Vistaは期待はずれ」という業界からの声も聞こえてきます。確かに筆者の周辺を見回しても,業務上,Windows Vista関連の記事を書く必要がある記者を除けば,個人的にWindows Vistaを導入したユーザーはほとんどいません。筆者自身も,実はWindows Vistaは未導入です。それはなぜか。正直に言って,即座に導入する必要性を“今のところ”感じていないからです。

 Windows Vistaには,半透明ウィンドウや3D表示が可能な「Windows Aero」ユーザー・インタフェース(写真)や以前に比べて強力になったセキュリティ機能など,いくつか魅力的な点があります。

 しかし,筆者が個人的に使用している自作PCでAeroを導入するには,グラフィックス・ボードの買い換えが必須になります。グラフィックス・ボードそのものは,それほど高価なものではありませんが,かといってAeroのためだけに投資をしようとは思いません。またセキュリティ機能も,現在使っているセキュリティ・ソフトとOSのアップデート機能で今のところは十分だと感じています(たまたま運が良くて何もセキュリティ被害が発生していないだけかもしれませんが)。また,Windows Vistaのデフォルト状態では,様々なセキュリティ警告が結構うっとうしいとも聞きます。

 では,Windows Vistaは“ダメOS”なのかと言うと,決してそんなことはないでしょう。今のところWindows Vistaの必要性はさほど高くないと感じている筆者も,次のパソコンを買う際(正確には自作PCのマザーボードとCPUを買い換えるなど大幅な構成変更を行う際)には,Windows Vistaに移行することになると思います。

 先ほど,飛びつくほどではないと言ったAeroにも魅力的な面はあります。それは,Alt+Tabキーでタスクを切り替える際にウィンドウのライブ・サムネイルが表示される「Windows フリップ」機能です。タスクを切り替える際に,Alt+Tabキーを多用するクセのある筆者にとっては,現在のアイコン+ウィンドウタイトルの文字列よりも,確実に使いやすくなるだろうと感じています。

 たとえとして適当かどうか分かりませんが,自動車の人気車種がフルモデルチェンジした際に,非常に優れたモデルチェンジだとしても,すぐに買い換えるユーザーはごく一部でしょう。ただ,現在旧モデルに乗っているユーザーは,こう考えているかもしれません。「旧モデルでも移動手段としては十分な機能を備えているので,すぐに買い換えることはない。しかし,次に買い換える際には魅力的な新モデルをぜひ買いたい」。多くのユーザーに,こうした評価を与えられた自動車のモデルチェンジは,まぎれもなく成功と言えるでしょう。

 では,Windows Vistaはどうなのでしょうか。

 そこでITproでは,パソコンOSに関するアンケート調査を実施することにしました。自宅や勤務先でWindows Vistaを既に使っている人がどれぐらいいるのか,また,Windows Vistaを導入するとしたら,それはいつ頃なのか,などの設問を用意しました。

 米国で実施されたある調査では,「2007年中にWindows Vistaにアップグレードすると答えた人の割合は12%」という結果が出ています(3月時点,関連記事)。しかし日本では,こうした調査はあまり実施されていないのが実情です。Windows Vistaの正確な状況を把握するためにも,ぜひアンケート調査にご協力ください。

 アンケート結果は,ITpro Researchサイトで掲載する予定です。またITproでは,今回のアンケートだけでなく,今後ITに関連する様々なアンケートを実施し,その結果を掲載していく予定です。これらITproで実施するアンケートに答えていただける方を「ITpro Researchモニター」として募集しております。併せてご登録をお願いいたします。