ノート・パソコン(PC)を社内だけでなく、屋外や自宅などに持ち出し、場所や時間に関係なく自由に仕事をこなす――。こうしたノートPCのモバイル利用は仕事の役に立っている。実際にノートPCを持ち歩いて仕事をしているビジネスパーソンの9割近くがこう答えた。ノートPCの存在価値を再認識させる結果と言える。
この結果は、日経コンピュータと日経BPコンサルティングが実施した「仕事とノート・パソコンに関する調査」である。日経BPコンサルティングが保有するモニターから抽出した400人にアンケートをしたところ、職場以外(家庭や外出先など)で仕事のためにノートPCを使っている人は207人で、400人のうち51.8%だった(図)。
実際に仕事でノートPCを使っている人たちは、そのメリットを十分認識している。「職場以外で、仕事のためにノートPCを使うことは、あなたの仕事に役立っているか」と聞いたところ、88.9%と実に9割近い人がノートPCは役に立っていると回答した。「いいえ」は2.4%、「どちらともいえない」は8.7%だった。
具体的にはどのような使い方をしているのか。ノートPCは役に立っていると回答した207人に聞いたところ、次の3点が上位に来た。「文書を作成する」が176人で85%。「Webサイトにアクセスする」が154人で74.4%。「会社の電子メールやグループウエアを利用する」が109人で52.7%。「客先でのプレゼンテーションに使う」(30.0%)ことや、「業務システムにアクセスし、顧客や在庫など物や資金に関わる情報を閲覧したり処理したりする」(16.4%)といった使い方は、まだ少数派だった。
最近、ノートPCの持ち出しを禁止したり、パソコンの代わりにシンクライアントの導入を試みる企業が増えている。セキュリティは確かに重要だが、仕事で便利に使われている状況を無視し、やみくもにノートPCを排除すると、かえって現場の混乱を招き、生産性を低下させそうだ。
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