第1回 モチベーションはコントロールできる!
モチベーションは「人を動かす原動力」であり,私たちが仕事をしていく上で,なくてはならない,大切なものです。この連載では,私自身がITベンダーでシステム構築に携わっていた経験も踏まえながら,モチベーション向上のコツについて,講義をしていきたいと思います。 みなさんはモチベーションという言葉を聞いてどんなふうに感じますか? 「モチベーション?あまり気にしていないけど・・・」「モチベーションなんて高くて当たり前だ!!」「モチベーションなんて自分ではどうしょうもないし,運もあるでしょう・・・」。感じ方はさまざまでしょう。 今回この連載を始めるにあたって,ぜひ皆さんに知っておいていただきたいことがあります。それは,「モチベーションは自分でコントロールできる」ということです。 もちろん,「給料が安い!」「労働時間が長すぎてもうどうしようもない!」「あの上司の下にいる限りお先真っ暗だ!」---こんな理由で「モチベーションが低い」と考えている方もいらっしゃるでしょう。 でも,同じ給料,同じ労働時間,似たタイプの上司・・・似たような環境下でも,モチベーションが高い人と低い人がいますね。モチベーションは,その人が与えられた環境だけではなく,必ず他の要素によって左右される,ということなのです。
成果を出している人は高め安定のモチベーションを保っているコンサルティングや研修などでたくさんの方にお会いしたり,モチベーションの分析をしたりする中で,浮き彫りになっている一つの事実があります。 それは,モチベーションが高い人はハイパフォーマーであるケースが極めて多く,かつそのハイパフォーマーは自らのモチベーションをコントロールする術を知っており,「高め安定」のモチベーションを維持している---ということです。 では,モチベーションはどうやってコントロールすればいいのでしょうか。 まず必要なのは,自分自身の現状分析です。ビジネスにせよ,システムにせよ,何か物事を理想の状態にもっていきたいときは,まず現状分析を行い,成功のためのポイントや課題を抽出した上で具体的な方法を考える---というステップを踏みますね。モチベーションも全く同じです。 具体的には,自分にとって何が「やる気のもと」で,何が「やる気の阻害要因」になっているのかを考えます。モチベーションが上がったり下がったりすのには,必ず原因があります。モチベーションを上げるのが「やる気のもと」で,モチベーションを下げるのが「やる気の阻害要因」です。 例えば,あなたにとっての「やる気のもと」は,自分の成長を実感できること,お客さまの感謝の言葉,家族の支えかもしれません。営業の方であれば,数字を達成できたことが「やる気のもと」になっているかもしれませんね。どうでしょう。少しは自分自身の「やる気のもと」や「やる気の阻害要因」が見えてきましたか?
セルフ診断を活用するここで,モチベーションを分析する方法の一つである「MSQ(Motivation Status Quo)」をご紹介しましょう。MSQは,様々なモチベーション理論を背景に,JTBモチベーションズとモチベーションや心理学の第一人者達が研究チームを作り,1万8000人の意識調査データに基づいて作り上げたものです。既に450以上の組織で採用され,4万2000人のデータが蓄積されています。 MSQは,146問の選択式の質問に答えていくことで,モチベーションの高さや,「やる気のもと」と「やる気の阻害要因」,モチベーションと業績との相関などを客観的に把握するものです。11個の「やる気の因子」(これを「モチベータ」と呼んでいます)を定義し,各モチベータへの「関心度」と「満足度」の2軸で,モチベーションを把握していきます(表1)。この11個のモチベータは,人間の働く意欲(ワーク・モチベーション)に最も影響すると言われる要素を抽出したものです。
この連載を始めるに当たって,MSQのダイジェスト版である「やる気」度セルフチェックを公開しましたので,ご自分の「やる気のもと」と「やる気の阻害要因」を把握するために,ぜひ試してください。 「やる気」度セルフチェックを受けると,レーダーチャートが表示されます。このレーダーチャートは,11個のモチベータの現在の「満足度」と「関心度」を表しています。 関心度と満足度の両方が高いモチベータが今のあなたの「やる気のもと」です。関心度が高くて満足度が低いモチベータは「やる気の阻害要因」である可能性が高い,と読み解くことができます。 11個のモチベータの中で,何が「やる気のもと」になっていて,何が「やる気の阻害要因」になっているかが分かったら,次に,それぞれの具体的な理由を思い起こしてください。思い浮かべることができましたか?それが,あなたの具体的な「やる気のもと」と「やる気の阻害要因」です。 さて,今回はこの辺で講義を終えきましょう。次回以降は,今日お伝えした内容を踏まえて,モチベーションをコントロールするテクニックについてお話ししていきます。
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