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プロジェクトマネジメント入門

最終回 優れたマネジャの育成に取り組む

2007/07/24 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2002年3月25日号184ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なりますが、この記事で焦点を当てたプロジェクトマネジメントの本質は今でも変わりません。

プロジェクトが成功するか失敗するかは,プロジェクトマネジャの選定にかかっている。プロジェクトの特性に合わせて,マネジャを選ばなければならない。しかし,スキルとリーダーシップを兼ね備えた優秀なプロジェクトマネジャはまだまだ少ない。完ぺきなスーパーマンを探すのは不可能だ。したがって企業は,プロジェクトマネジャを社内で育成すべきである。優れたマネジャを数多く抱えた企業は必ず強くなる。

伊藤 健太郎
アイシンク 代表取締役

 13回にわたって連載した「プロジェクトマネジメント入門」も今回が最終回である。最終回では,プロジェクトマネジャの選定と育成について考えてみたい。まずはプロジェクトマネジャの選定についてである。

 セミナーなどで次のような質問をよく受ける。「どのような人をプロジェクトマネジャ候補として選んだら良いのでしょうか」,「技術に詳しい人と人間的に良い人では,どちらがプロジェクトマネジャとしてふさわしいでしょうか」,「技術系の出身でないとプロジェクトマネジャはできないのでしょうか」などである。

 筆者は,「一概にはお答えできない」と必ず言うことにしている。これでは答えになっていないと思われる方もあろうが,本当のことだと考えるからである。プロジェクトとひと口にいっても,規模や関係する人数,期間,特殊性などはプロジェクトごとにすべて異なる。まさに多種多様である。当然,プロジェクトを遂行するために必要とされるプロジェクトマネジャのスキルや特性は変わってくる。

 プロジェクトマネジャをだれにするのかは,最終的には経営トップの仕事になるだろう。とにかく非常に難しくかつ極めて重要な選択になる。プロジェクトマネジャの選定を誤るとプロジェクトを成功させることはできない。プロジェクトマネジャの判断がプロジェクトの行方に大きく影響するからである。「プロジェクトの最大リスクはプロジェクトマネジャ」と言われる所以である。

 それだけ,プロジェクトマネジャに対する期待は大きいと言える。ここで,理想的なプロジェクトマネジャが持つべきスキルや個性をリストアップしてみよう。

チームメンバーを引っぱれるリーダーシップがある
的確な判断ができる
柔軟性がある
コミュニケーション能力が高い
ネゴシエーション能力が高い
問題対応能力が高い
プロジェクトマネジメントの手法を現実的に活用できる
成功へ向けた情熱と意志がある
顧客のトップや担当者と良好な関係を作れる
困難な状況でも問題解決に力を発揮できる
ものごとに公平に対処し,倫理観を持つ
契約に関して詳しい

 優秀なプロジェクトマネジャは,これらの特徴の多くを持っているものである。ただし,これらをすべて兼ね備えたスーパーマンのようなプロジェクトマネジャとなると,探すのが難しいというより,探すだけ無駄であろう。人間だれでも欠点はある。

 したがって,プロジェクトマネジャを選ぶときに,理想像からスタートしてはならない。適任者が社内にいないということになるからだ。といって社外から調達しようとしても難しいだろう。仮に社外からかなり理想的と思えるプロジェクトマネジャを連れ来たとしても,プロジェクトがうまくいくとは限らない。

 なぜかと言うと,既存の組織風土,ラインマネジャや社内メンバーについて,十分知らないままでプロジェクトに臨むことが多いからである。その結果,既存の組織から反発を受け,非効率を招くということがある。

 無論,逆の場合もある。社内の人間にプロジェクトマネジャを任せると,既存の組織を知りすぎているために,人間関係などのしがらみが強すぎ,能力を発揮できなくなる危険がある。この場合には,まったく別の組織や社外からマネジャを連れてくるほうが上手くいくかもしれない。いずれにせよ,どういう選択をするかは,プロジェクトマネジャに期待することと,プロジェクトを取り巻く環境で変わってくる。

積極的に社内で育成する

 プロジェクトマネジャの選定についてあれこれ考えてきたが,やはり必要に迫られてから急に選定するのは難しい。したがって長期的な視点から考えることが必要である。すなわち,プロジェクトマネジャを社内で育成するのである。

 「育成などと悠長なことを言っている場合ではない」という意見もあろうが,優秀なプロジェクトマネジャを多く抱えた企業は間違いなく強い企業になれる。有能なプロジェクトマネジャを組織に多く温存しておき,プロジェクトごとに適任者を選択し,プロジェクトを次々に成功させる。これはどんな企業であっても望むところである。

 現実には経営トップが安心してプロジェクトを任せられる人材はまだまだ少ない。だからこそ,プロジェクトを成功に導けるプロジェクトマネジャは貴重であり,重要な人材になる。

 次のことを考えてみよう。プロジェクトマネジャの能力は,生まれつきの素養で決まるものであろうか。確かに,普通の人と比べて,生まれながらのリーダーシップを持っている人は存在する。その一方で,訓練や努力によって有能なプロジェクトマネジャを育成できることも事実である。企業という組織で考えると,一人の有能なプロジェクトマネジャが自然発生的に生まれることを期待するのではなく,できるだけ多くの有能なプロジェクトマネジャを養成するほうが望ましい。

 プロジェクトと一概に言っても,情報システム開発,プラント建設,展示会開催,特殊軍事作戦などまさに多種多様であり,必要とされるプロジェクトマネジャのスキルやリーダーシップ能力は共通する部分もあるが,異なるところも当然ある。したがって一般論から考えるのでなく,企業ごとに具体的に検討すべきものである。

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