Webブラウザでhttp://www.example.com/というURLにアクセスしたところ，3回に一度しかアクセスできないことがわかった。そこで，www.example.comというサーバーに関する情報を集めるため，Windowsパソコンのコマンドプロンプトから「nslookup www.example.com」と実行したところ，以下の結果が表示された。アドレスが3個表示されたので，それぞれのアドレスに対してpingを実施したところ，192.0.34.72のアドレスから応答がなく，その他のアドレスからはきちんと応答が返ってきた。この結果に関する記述として，正しいものを選択肢から一つ選びなさい。
[選択肢]
a． ns.example.comは自分のネットワークのメール・サーバーで，3台ある
b． 192.10.20.10はnslookupを実行したコンピュータのIPアドレスである
c． www.example.comのアドレスは192.10.20.10である
d． www.example.comのマシンの中の1台が故障している
e． 192.10.20.10のマシンが故障している
[解説]
正解は，選択肢dの「www.example.comのマシンの中の1台が故障している」です。
nslookupコマンドは，DNSサーバーが正常に動作しているのかを調査したり，DNSサーバーの設定内容を確認するコマンドです。
この問題は，Webサーバーを複数台置いてサービスを提供している環境で，その中の1台が故障しているために数回に1回しかWebサーバーにアクセスができなくなってしまったという状況のトラブル解決を想定したものです。こうしたトラブルが発生したときは，nslookupコマンドの実行結果を元に，トラブル解決を実施することになります。
nslookupコマンドの表示結果で一番上に表示されるのは，自分のネットワークのDNSサーバーのアドレスになります。そのため，選択肢a，bは不正解です。また，きちんと表示結果が表示されていることから，選択肢eも不正解です。
表示結果の一番下が，www.example.comに関する情報です。3個のIPアドレスが表示されているので，このドメイン名のマシンが3台あり，DNSによるラウンド・ロビンを使ってアクセスを分散させていることが予想できます。よって，www.example.comのアドレスは，192.0.34.70，192.0.34.71，192.0.34.72の三つになるので，選択肢cも間違いです。
また，それぞれのアドレスに対してpingを実施したところ，192.0.34.72のアドレスから応答がなく，その他のアドレスからはきちんと応答が返ってきています。よって，3回に1回しかアクセスできないというのは，そのサーバーの故障が想定されることから，正解は選択肢dになります。
