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部署内でLANカードを探していたら,以下の写真のLANカードを見つけた。このLANカードのバスの名称は何と言うか。以下の選択肢から正しいものを一つ選びなさい。

[選択肢]
a. AGP
b. ISA
c. PCI
d. PCI Express×1
e. ATA

[解説]
 正解は,選択肢cの「PCI」です。

 問題の写真のLANカードは,一般的な32ビットのバス幅をもつPCI(peripheral component interconnect)バスです。バスは,データをやりとりするための伝送路のことで,バスの規格によって,マザーボードに装着する部分の形状がそれぞれ異なります。

 最近のパソコンは,デスクトップ・パソコンやノート・パソコンに限らず,LANカードが内蔵されているので,LANカードの取り付けや交換などの機会があまりなくなってきたかもしれません。しかし,サーバー・マシンなどでは,LANカードを増設する機会はよくあります。そのとき,バスの知識がないとLANカードの選択にも困ったり,パソコンのどこに装着すればいいのかと迷うばかりか,無理に誤ったところに挿入して基板を壊す危険性もあります。

 デスクトップ・パソコンやサーバー用のLANカードは,問題の写真のようなPCIバスが一般的です。また,1Gビット/秒や10Gビットに対応する高速なLANカードでは, より高速なPCI Express対応のLANカードを使うこともあるでしょう。PCI Expressはシリアル・バスで,複数のシリアル・バスを束ねて使うことにより高速化を可能にしたバスです。「PCI Express×1」という表記は,シリアル・バスを1個(1レーン)搭載しているものです。現在はこのPCI Express×1のLANアダプタが出荷されていますが,今後は,より高速なPCI Express×4やPCI Express×8に対応したLANカードも数多く出てくるでしょう。

 なお,ISA(industry standard architecture)は,PCIが普及する以前に使われていた古いバスです。今では,組み込み制御用のマシンで使われる程度です。AGP(accelerated graphics port)は,グラフィック・アクセラレータ専用のバスです。現在は,PCI Express×16の出現により,高速なグラフィック・アクセラレータ用としての用途は減りつつあります。また,ATA(advanced technology attachment)は,パソコンとハードディスクなどを接続するためのバス規格です。

 以上より,LANカード用のバスではないAGPとATAは,すぐに正解ではないと判断できます。PCI Express×1はマザーボードに装着する部分の形状がPCIよりはるかに小さく,逆にISAはPCIに比べて挿入口が長くなっており,これらも正解ではないことがわかります。それぞれのバスの形状は,下記のリンクを参照してください。

PCI Express×1のバスの例(プラネックスコミュニケーションズの「GPE-1000T」)
http://www.planex.co.jp/product/giga/gpe-1000t-2.shtml

ISAバスの例(アライドテレシスの「LA-ISA V2」,販売終了製品)
http://www.allied-telesis.co.jp/products/list/adapter/isa2/catalog.html