Excelレガシーとは,企業の業務部門がExcelを使って自ら開発し,利用を続けてきた「業務システム」を指す。従来は手作業でこなしていた「基幹業務に付いて回る非定型業務」を処理するアプリケーションとして,現場で必須の存在である。
Excelレガシー再生計画
目次
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“野良データ”と“野良アプリ”を手なずけろ
“Officeレガシー”のデータやプログラムは個人や部門内で日常的に使われているもの。そこには現場の貴重なノウハウが詰まっている。それだけでも個人の生産性向上に役立っているが、全社やグループで共有すればさらなる価値を生む。しかし、非定型な“野良データ”や“野良アプリ”をコントロールするのに手を焼き…
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現場の情報を「お熱い」うちに
現場が使っているExcelファイルやノーツDBには、営業や開発、販売など日々の業務で発生するリアルタイムな情報が詰まっている。これらを集めて活用できれば、現場や事業全体の状況を把握し、戦略的な判断を下すことが可能となる。
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1万人が使った“Excelのお化け”
Excelの活用で、多くの現場は生産性の向上という果実を手にした。しかしデータ量やユーザー数の増大など、取り組み始めた当初と前提条件が大きく変わると運用面で壁に突き当たってしまう。日産自動車とリクルートはユーザー環境の変化を最小限に抑えながら、そうした壁を取り除いた。ユーザーからみれば “楽”に劇…
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WordやPowerPointもレガシーだ
現場では必須ツールだが、肥大化・老朽化で維持できない──。ユーザーがExcelで作った業務ツール(“Excelレガシー”)、ノーツで作成したデータベースやアプリケーションなどだ。これらは現場にあるレガシー資産。いわば“Officeレガシー”。IT部門には関係ないと切り捨てるのは簡単。しかし、そこに…
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【危機の構図】仕事を間違え、維持もできず
2007年後半に入り、“Excelレガシー”の継承が深刻な問題になりつつある。Excelレガシーとは、企業の業務部門がExcelを使って自ら開発し、利用を続けてきた「業務システム」を指す。Excelレガシーは、従来は手作業でこなしていた基幹業務に付いて回る「非定型業務」を処理するツールとして、現場…
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【解決の十箇条】システム基盤として徹底利用する
現場の業務部門が自力で開発し、保守してきたExcelレガシーは危機に直面しており、対策は待ったなしだ。問題はあまりにも大きく、小手先の対策は意味をなさない。業務部門と情報システム部門が力を合わせない限り、問題を解くことはできない。
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[原因と対策]マクロのミスで売上集計がデタラメに、経営陣の指摘で発覚
これまで400以上のExcelシステムに関わってきた経験を踏まえ、保守できない「Excelレガシー」の発生原因と対策をお伝えしていきたい。今回は、Excelで構築した「売上予実管理システム」において、機能拡張をした際にExcelマクロにミスが紛れ込んだ問題と、その対策を取り上げる。
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[原因と対策]コピーが横行、ファイルが5000個
今回は、Excelで構築した「販売業務支援システム」において、Excelファイルのコピーが横行し、システムが管理不能になった問題と対策を取り上げる。
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[原因と対策]医療機関に配布したシステムが利用不能に
筆者が企業情報システムをExcelを使って開発する専門会社を創業してから7年が経過した。これまでのべ400以上のExcelシステムに関わってきた経験を踏まえ、保守できない「Excelレガシー」が発生する「原因と対策」を紹介していきたい。前回は「Excelマクロの自動記録」について取り上げたが、今回…
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[識者の一言]「CFOのExcelは武士の太刀」
CFOを筆頭とする経理・財務部門の担当者にとって、Excelは「いつも一緒にいる我がツール」なのだと主張するのは、日本CFO協会の米野宏明主任研究員。「彼らは経理・財務部門にずっと所属しているプロフェッショナルであり、Excelを日頃から駆使している。例えて言えば、CFOにとってのExcelは、武…
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Excelを使えないIT部門はSOAに取り組めない
「Excelを企業の情報システム基盤として使いこなせない情報システム部門やITベンダーはSOA(サービス指向アーキテクチャ)も使いこなせない」。 この一文を見たITの専門家で、不思議に思った方は多いのではないか。「表計算ソフトとSOAに何の関係があるのか」と首をひねる向きもあろうが、大いに関係があ…
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[識者の一言]「現場の要望を突き詰めたら、結局はExcelだった」
「お恥ずかしい話だが、受託開発したプログラムを納品した際、納品先の企業の担当者から使いづらいと言われた。しかも何度も。もう10年以上前の話だ」。こう打ち明けるのは、マイクロラボ代表取締役の宮森氏。現場の意見を聞き、結局はExcelの活用に行き着いたという。
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[原因と対策]解析不能なマクロの山が5Mバイトに
企業情報システムをExcelを使って開発する専門会社を創業してから7年が経過した。これまでのべ400以上のExcelシステムに関わってきた経験を踏まえ、保守できない「Excelレガシー」が発生する「原因と対策」を本欄で紹介していきたい。今回は、「Excelマクロの自動記録」に関する問題と対策を取り…
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[識者の一言]「情報システム部門はExcelにもっと目を向けよう」
企業における「ビジネス・インテリジェンス(BI)ツール」の利用実態について、ガートナー ジャパンが調査している。利用しているBIツールを複数回答で尋ねたところ、Excelを利用している企業が45.9%と一番多かった。「情報システム部門はExcelの動向にもっと目を向けるべき」と同社リサーチ ディレ…
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[ユーザーの一言]「4種類のバージョン混在、こう乗り切った」
97、2000、XP、2003…何かとユーザー企業の頭を悩ませる、Office製品の「バージョン違い」問題。ラフォーレ原宿は「SoftGrid」を利用することで、1台のパソコンで4つのバージョンのOffice製品を同時利用できる環境を構築した。同社の木島信宏氏に、導入の経緯とメリットを聞いた。
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[識者の一言]「“Excelの達人”の後継者を育成せよ」
「“Excelの達人”の後継者が育っていない」。というのは、システムリサーチ&コンサルトの住中光夫氏。同氏はExcel利活用のコーチ役として、度々ユーザー企業を訪問している。住中氏にExcelを自由自在に使いこなす若手・中堅社員に出会う機会はめっきり減った。Excelリテラシの維持策を同氏に聞いた…
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[ユーザーの一言]「慣れ親しんだExcelインタフェースは捨てない」
自作して使い続けてきたExcelシステムを先頃廃棄し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを駆使した新システムに切り替えた森ビル・インベストメントマネジメント。ただし、ユーザー・インタフェースはこれまでのExcelシートを踏襲している。「慣れ親しんできたユーザー・インタフェースまで丸ごと変えてし…
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[識者の一言]銀行はスプレッドシート統制に本腰を
財務諸表の作成に関与しているExcelツールは、「スプレッドシート統制」として内部統制の対象となる。この点について、銀行はとりわけ入念に情報を収集しておきたい。注視すべきは、金融情報システムセンターが2007年3月に発行した「金融機関等のシステム監査指針第3版」である。第3版でスプレッドシート統制…
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[識者の一言]スプレッドシート統制、「連結決算業務」に注意
企業において今、「スプレッドシート統制」が懸案の一つになっている。経理・財務部門では、財務諸表の作成業務を効率化するため、Excelなどの表計算ソフト(スプレッドシート)を活用しているケースが非常に多い。当該部門で利用しているExcelを使ったシステムに計算式の誤りなどが含まれていると、そこで計算…
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