はじめまして,ユビオンの久納と申します。本連載では,プログラム言語のJavaを使ってSkypeと連携する便利で実用的なプログラムを作っていきます。Skypeには,Skypeを外部プログラムから操作できる「Skype API」というしくみがあります。このしくみを使えば,Skypeにさまざまな機能を追加したり,Skypeの通信機能を土台として使う独自のアプリケーションを作ることが可能になります。

 今まで「ネットワーク・アプリケーションを一から作るのは大変そう」と尻込みしていた人でも,Skype APIを使うことで面倒な通信機能の実装作業から開放され,気軽にアプリケーションを開発できるようになるのです。こんな便利なしくみが無料で提供されているのですから,使わない手はありません。本連載をきっかけに,多くのみなさんが興味を持ってSkypeの開発コミュニティに参加してくれることを願い,筆をとった次第です。

 本連載では,私がこれまでのSkype4Java(後述)の開発で培ったSkype APIの開発経験を基に,サンプル・プログラムを交えつつJavaを用いた連携プログラム(Skypeエクストラ)の開発ノウハウを紹介していきます。

 第1回となる今回は,iTunesをSkypeと連携させて,iTunesで再生中の楽曲タイトルやジャケット・イメージをプロフィール欄に表示するプログラムを作成します。具体的には次の三つのステップで作業を進めていきます。

(1)事前準備
本連載で使うSkype4Javaについての説明

(2)iTunesツールの作成
Skype4Javaのダウンロードとプロジェクトの作成

(3)コードの作成と実行結果の確認
プログラムを完成させ,実際にSkypeと連携させてみる