●名称:Red Hat Enterprise Linux 5
●提供元:米Red Hat社
●URL:http://www.redhat.co.jp/
●対応機種:PC AT互換機,PowerPC搭載機など

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 「Red Hat Enterprise Linux」は,米Red Hat社が開発および提供しているLinuxディストリビューションです。主に,企業システムでの利用を前提に開発されており,企業内サーバーなどで広く利用されています。このRed Hat Enterprise Linuxは,Fedora Projectが開発しているLinuxディストリビューション「Fedora」の開発成果を取り込んでいます。

約2年振りの新版となる「Red Hat Enterprise Linux 5」(以下,RHEL5)の主な特徴は,オープンソースの仮想化ソフト「Xen」の搭載により1台のコンピュータ上で複数のOSを同時に動作できること,64ビット・プロセッサ対応が進んだこと,です(関連記事)。

 Red Hat社は,不具合の合ったパッケージのアップデートをRed Hat Networkを通じて提供しています。Red Hat Enterprise Linuxのyumコマンドやアップデート・プログラムを用いることで,アップデート・パッケージを入手してインストールできます。

 ちなみに,RHEL互換のLinuxディストリビューションとして注目を集めているのが,「CentOS」です(関連記事)。RHELのソース・コードからRed Hatの知的財産物(ロゴなど)を取り除いて開発されており,機能・性能的にはRHELと同等です。CentOSは無償で使用できます。

 このインストール・ガイドでは,RHEL5の基本的なインストール方法を紹介しています。特定のサーバー・アプリケーションに特化したインストール方法や仮想化システム,クラスタリング・システムの構築などについては,各自で追加設定を行う必要があります。


インストールの前に

 インストール時にトラブルを避けるには,事前の準備が欠かせません。インストール作業に取り掛かる前に以下の4点を確認してください。

 (1)インストール作業の前に,CD-ROMやDVD-ROMから起動するようパソコンのBIOSを設定します。設定方法はパソコンに付属しているマニュアルなどに記載されています。また,Red Hat Enterprise Linuxでは起動フロッピのイメージは同こんされていません。USBメモリーなど起動可能な比較的大きな容量のデバイスを使える場合は,CD-ROM/DVD-ROM内の「\images\diskboot.img」イメージを書き込むことで起動が可能です。

 (2)使用するパソコンのハードウエアによっては,Linuxをインストールしただけでは利用できない場合があります。例えば,無線LANアダブタなどは利用できないことがあります。その際は,ベンダーなどからLinux用のデバイス・ドライバを入手する必要があります。

 (3)Red Hat Enterprise Linuxには多数のパッケージが用意されています。手順10ですべてのパッケージ・グループにチェックすると3.5Gバイト程度の空き容量が必要です。ちなみに,インストール後であっても,パッケージマネージャを用いた追加インストールが可能です。

 (4)Red Hat Enterprise Linuxは商用Linuxディストリビューションです。利用するにはライセンス(サブスクリプション)の購入が必要です。詳しくは,Red Hat社のWebページを参照ください。