コミュニケーションポータルとしてのウェブサイト

 ジャンルにもよるが、お客様が製品やサービスの情報を得る手段のトップあるいは上位はウェブサイトである。この傾向は世界中同様である。もはや、ウェブサイトなしでは経済活動も成り立たないと言ったら言い過ぎであろうか? 少なくとも、人々の購買活動やそのための情報入手はウェブを中心に動いていることは確かなようだ。

 日本で企業がウェブを使い出して今年(2007年)で12年程度、丁度、干支が一回りした歳月ということになる。ウェブ黎明期は、歴史的に一方的に情報を発信するメディアの派生でインターネットを使ったメディアの登場という色彩が強かった。

 インターネットはインタラクティブなメディアなので、情報を発信すると、当然その時から質問が来出す‥。これは当たり前のことなのであるが、当時は、この問い合わせを拒絶する企業が多かった。これは、ウェブをコミュニケーションツールとして認識していないことから発生する現象だったと思う。

 広告に電話番号を書いて、電話するなと言っているようなものである。因に、最近のコミュニケーション手段としてメールの比率はかなり高いのではないだろうか?確かに、オフィスの電話はめったに鳴らないが、端末には大量のメールが行き交っている。自宅の固定電話は殆ど鳴らないし、携帯電話でもメールでのやりとりがかなり多いのではなかろうか?

 さすがに、昨今の、企業とお客様のコミュニケーションで一昔前のようにメールを拒絶する企業も少ないと思うが、ライフスタイルにあったコミュニケーション手段を理解し提供し続けていく事も、企業の経済活動の基本ではないかと思う。この対応の早さや利用のしかた、つまり企業のおもてなしの心が、そのブランドイメージや価値に大きく影響を与えることになると思っている。

 冒頭に述べたが、企業にとってお客様が接してくる接点(Direct Touch Point)で比較的に多いのはウェブサイトであるので、まず、ここでコミュニケーションの窓口、入口を設定するのがリーズナブルであると考える。

ウェブ上でのコミュニケーション窓口をどう作ればよいか

 直接的なコミュニケーションの代表的なものとしてはお問い合わせだろう。従来であれば、住所、電話番号、FAX番号(その一昔前は更にテレックス番号なんてものがあったが、今は死後?)を記載して該当メディアを通じてのコミュニケーションであったが、これにe-メールが加わる。

 敬遠されたメールだが、最近は、アーカイブすることにより、過去メールの検索や参照、ジャンル別、顧客別のグルーピングさらには宛名印刷や各種自動処理や分析などありとあらゆる利便性に富んでおり、FAXや手紙をいただくよりはるかに経済効率は高いと思われる。

 ウェブ上での掲載方法だが、テキストでメールアドレスを記載する事はできるだけ避けたい。検索ロボットなどでアドレスが収集され、直ちにスパムメールがそのアドレス宛に飛び込みだす原因となるからだ。テキストでアドレスを公開したばかりに、膨大なスパムメールばかりが増え続け、通常業務に支障が出だした実例をいくつも経験している。

 最近の傾向はこれを避けるために、アドレスを画像(gifなど)にして掲載するサイトが増えている。しかし、更に良いと思われるのは、フォーム入力にすることだ。これだとアドレスも外部に漏れないし、入力フォーマットが揃うために、データとしてシステム処理が楽になり好都合だ。

 また、暗号化処理も可能で、お客様に負担をかけずに機密性を向上させることができる。これからはこのフォーム入力での受付をお勧めしたい。因に、返信アドレスは適宜変更可能で、臨機応変な顧客対応が可能である。

コミュニケーションの標準化が重要

 ウェブを通じたコミュニケーションとして、

マーケティング:キャンペーン申し込み、抽選、商品購入、各種アンケート、各種登録、etc.

コーポレート:新卒・経験者採用、株主とのやりとり、マスコミとのやりとり、環境、CSR 、

社内イントラ(社員もお客様)、福利厚生etc.

その他: B to B、プロキュアメント etc.

 などなど例を挙げればきりがない。それぞれの目的や内容によって一概にくくれないかとは思うが、その入口(ポータル)としてのウェブサイトの役割とその重要性を認識し、一貫した考え方と対処により社内外とのコミュニケーションの標準化を強く推進すべきだろう。