• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

Windows Server:システム管理者の視点

知的財産権を巡るMicrosoftの「Linuxに対する不満」の背景

Paul Thurrott 2007/06/20 ITpro

 オープン・ソース運動が始まって以来,米Microsoftとオープン・ソース運動との間で繰り広げられてきた「仮想世界の冷戦」において,興味深い進展があったことをご存知だろう。「フリー」のソフトウエアを作る人々に対するMicrosoftの反応は,時の流れと共に変化してきた。そして奇妙なことに,彼らの反応はスイス生まれの精神科医Elisabeth Kubler-Ross氏による「死の受容のプロセス(On Death and Dying)」のサイクルに忠実に従っているようなのだ。

 Microsoftのオープン・ソース運動に対する受容の過程は,このようなものだろう。

否認:オープン・ソースだって?そんなものは聞いたこともない。実際に利益を上げられるようになったら,また来てくれ。

怒り:LinuxとApacheがロー・エンドのサーバー・マーケットからシェアを奪っているとは,どういうことだ?それは私たちの領域なのに。

取引:分かった。つまりこういうことだろう。確かに,LinuxとApacheはロー・エンドのシェアを奪っているかもしれない。だが,Windows ServerとMicrosoft IISが「Fortune 500」企業を独占している限り,私たちにとって問題はない。

抑うつ:何だって?彼らがデータ・センターにまで進出してきたって?私たちは,オープン・ソースのソリューションよりもはるかに多くの機能を提供しているのだぞ。ユーザーはなぜそれが分からないのだ?

受容:Microsoftはオープン・ソースのソリューションと自社の製品・サービスとの連携を向上させるために,NovellやXandros,Boss,XenSource,Samsung,Zendなどのオープン・ソース企業と共同でソリューションを開発するという,一連の取り決めを発表した。もちろんここで重要なのは,知的財産のクロス・ライセンシングだ。通常これには,Microsoftがパートナーの顧客に対して法的措置を取らないことを約束する特許協定が含まれる。

 普通のMicrosoft顧客にとっては,これらの取り決めは現実的な利益を追求するためのものに思えるかもしれない。しかし何と言っても,Microsoftが企業顧客の現実,つまり企業の合併や買収,あるいは正当な技術的理由に基づいて,彼らの多くが異機種混在環境で作業しているという事実--にようやく気づいたことの意義は大きい。この現実に対するMicrosoftの反応は控えめに言ってもこっけいであるが,同社が自分たちの製品とオープン・ソースのソリューションの相互運用性を高めるために,多大な努力を重ねていることは確かである。

 だが先日,Microsoftが知的財産と特許に関して不満を訴えたことは,あまりよくない兆候である。Microsoftは先日,Linuxをはじめとするオープン・ソース・ソリューションがMicrosoftの特許を235個侵害しているとして,具体的な特許名を挙げずに非難したのだ。オープン・ソース・コミュニティの反応は素早く,そして予想通りのものだった。「Microsoftは,FUD(恐怖,不安,疑念)作戦を実行しているだけだ。実際に行動に移す意思がないのなら,彼らは黙っておくべきだ」とオープン・ソース・コミュニティの人々は話したのである。

 Linuxの開発者であるLinus Torvalds氏は,次のように語った。「LinuxがMicrosoftの特許を侵害しているというのなら,どのように侵害しているのか,そしてどの部分が侵害に当たるのかを具体的に教えてほしい。そうしてくれれば,私たちも問題の解決に応じるつもりだ」。これは常識的な反応だろう。しかし,Microsoftからは何の返答もなかった。

 これには理由がある。Microsoftも間違いなく,何百ものソフトウエア特許を侵害している。だからこそオープン・ソース・コミュニティも,Microsoftに訴訟を起こされた場合の対抗策として,独自のテクノロジ特許リストを構築しているのである。

 Microsoftも,彼らに反訴の準備ができていることを理解しているので,オープン・ソース企業(あるいはMicrosoftの顧客と重複することの多いオープン・ソース企業の顧客)を相手取って訴訟を起こしたいと本気で思っているわけではない。結局のところ,Microsoftが235個の特許の話を持ち出したのは,訴訟が目的ではなかった。同社はNovellとXandrosが同意したような大きな利益を生む業務提携に,もっと多くのオープン・ソース企業を呼び込もうとしているのだ。

 従って,米国とロシアの間の冷戦が現実世界で頂点に達していたころのように,Microsoftとオープン・ソース・コミュニティは核のボタンに指を置いて,お互いを瀬戸際に追い詰めあっているのだ。これは非常にばかげた状況であり,こうなった責任の多くはMicrosoftの側にある。競合するプラットフォーム間で本当の相互運用性を実現するには,お互いの信頼関係が絶対に必要である。そして,信頼関係には誠実さと透明性が欠かせない。Microsoftは,特許の内容を具体的に語るべきだ。

あなたにお薦め

連載新着

連載目次を見る

今のおすすめ記事

ITpro SPECIALPR

What’s New!

経営

アプリケーション/DB/ミドルウエア

クラウド

運用管理

設計/開発

サーバー/ストレージ

クライアント/OA機器

ネットワーク/通信サービス

セキュリティ

もっと見る