6月初旬に米国オーランドで開催された「TechEd」では,Windows Vistaの展開支援ツールに関する発表も行われた。「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP) for Software Assurance」には,アプリケーション仮想化ツール「SoftGrid」のVista対応版などが含まれる。このツールは,ソフトウエア・アシュアランス顧客にだけ提供される。

 MDOPをなぜソフトウエア・アシュアランス顧客にだけ提供するのか米Microsoftに尋ねてみると,「こうした優秀なツールがあることを理由に,人々がソフトウエア・アシュアランスの顧客になりたいと思ってくれることを,私たちは願っている」という答えが返ってきた。そしてMicrosoftは,ソフトウエア・アシュアランスの契約件数が100万件という大台に達したことをしきりに喧伝している。MDOPには,以下のものが含まれている。

・ 2007年7月1日に登場予定の「SoftGrid Application Virtualization for Windows Vista」(Windows XP用のSoftGridは既に登場している)。

・ソフトウエア・インベントリのスキャニング・サービスである「Asset Inventory Service(AIS)」。Windows Vista向けのホスト型サービスも,2007年7月1日に登場予定だ。

・エラー・レポートを中央で一元管理し,アラートやトレンド分析を提供することによって,ヘルプ・デスクのコスト削減を目指すツールである「System Center Desktop Error Monitoring(DEM)」。

・グループ・ポリシー・オブジェクト(GPO)を利用して,変更管理やバージョニング,ロールバック(例えば,構成やファイアウオール,自動アップデートの設定など)を行う機能を提供するツールである「Microsoft Advanced Group Policy Management(AGPM)」。さらにAGPMは,ロールベースの管理と委任のモデルでグループ・ポリシーを拡張できる。

・クラッシュやブート障害の後でPCを復元する統合UIで,以前は「Sysinternals' ERD Commander」と呼ばれていた「Diagnostics and Recovery Toolset(DaRT)」。

 Windows IT Pro Magazineでは,これらのツールに関するTechEdのブリーフィング動画も公開しているので,参照していただきたい。