現時点ではイー・モバイルのサービス自体がデータ通信のみで音声通話は利用できないため,EM・ONEは正確には「スマートフォン」ではない。しかしOSにWindows Mobile 5.0を採用しているなどスマートフォンと共通している部分が多く,音声通話が必要がないというのあれば大いに検討する余地はある。

縦と横の2方向に液晶がスライド

 まずはEM・ONEの大きさや重さに触れておこう。EM・ONEの本体サイズは幅140×奥行き70×厚さ18.9mmと,他社のスマートフォンと比べて若干大きい。ポケットに入るサイズとは言い難く,鞄に入れて持ち運ぶのが現実的だろう。

 しかし,手に持つと,この印象が変わる。理由はその「薄さ」だ。EM・ONEと同様にスライド機構を備え,大きさも比較的近いW-ZERO3と比べると,約7mmも薄い。スマートさをさらに際立たせているのが,スライドしない状態では一切のキーが存在しない点だ(写真1)。「閉じた状態での操作が不便なのでは」と思う人も多いかもしれないが,[OK]キーや[スタート]キーなど,基本的な操作ボタンはタッチパネルとして別途用意されているため,思いのほか不自由さは感じない。

写真1●EM・ONEの正面部
写真1●EM・ONEの正面部
4.1インチの大画面ディスプレイを備えているのはもちろん,閉じた状態ではキーが一切なくフラット。 [画像のクリックで拡大表示]

 実際に操作してみると,本体を縦に持った場合も横に持った場合も操作しやすいとは言い難い。ペン操作が必要なとき以外は,なるべく両手でしっかりホールドして使うことをお勧めする。

 表面にキーなどの突起がないことから,「滑らせて落としてしまうのでは」と一瞬心配したが,背面には滑り止めの加工が施されているため,思いのほか滑りにくい(写真2)。ただ,いずれにせよEM・ONEは大型ディスプレイが常にむきだし状態となるため,落下させた時の被害を考えると,標準で付属するケースをなるべく利用したほうがよいだろう(写真3)。ディスプレイ保護が備わっているなど作りはよく,簡易スタンドとしても利用できるユニークな機構も備えている(写真4)。

写真2●EM・ONEの背面部
写真2●EM・ONEの背面部
滑り止めが付いているので思いのほか滑りにくい。電源は上にスライドさせる必要があり,少々扱いにくいので注意 [画像のクリックで拡大表示]

写真3●EM・ONEに付属する専用ケース
写真3●EM・ONEに付属する専用ケース
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写真4●EM・ONE付属のケースは臨時のスタンドとしても利用できる
写真4●EM・ONE付属のケースは臨時のスタンドとしても利用できる
ワンセグ視聴などのときに役立つ。 [画像のクリックで拡大表示]