5月17日から20日にかけて,オレゴン州ポートランドで「Ruby on Rails」のイベントRailsConf2007が4日間にわたり開催された。Railsの作者であるDHH(David Heinemeier Hansson)氏が次期バージョン2.0について語るなど,熱いイベントになった。
主催者はO'Reillyに
会場ははオレゴン州ポートランド コンベンションセンター。ポートランドは州税がかからないことや,治安が良い事からホームステイ先としてよく利用される都市である。
RailsConfの日程はチュートリアルのみの初日と,キーノートとセッションの日に分かれている。5/17のチュートリアルは他の日と比べ参加者が少なかったが,2日目の18日からはかなりの人数が参加。参加者は1600人と昨年の3倍以上になった。
また今年のRailsConfは主催者がO'Reillyになった事もあり,会場のセットやサービスは素晴らしく,ブースではRuby on Railsに特化した企業が開発環境などを展示していた。
2.0へ向けた9点の改良
誰もが注目していたDHHのセッションはRuby on Rails 2.0に向けての主要な新機能だった。バージョン2.0では以下の9点について改良が行われるという。
1. BreakPoint でバックとDrop-inデバッグ機能をサポート。
2. javascript_include_tags,stylesheet_include_tagsで:cache => trueの提供。
3. ActiveRecordのQueryキャッシュ機能の提供。
4. テンプレートの種類追加(.erb,.builder)
5. environment.rbの改良
6. マイグレーションの記述を変更。
7. HTTPでの認証機能。
8. plugin generate スクリプトにMITライセンスを加える。
9. 大幅なコード整理。
migration機能の改良では,
create_table(:users) do |t| t.column(:login,:string) t.column(:password,:string) end |
と記述していたのを,
create_table(:users) do |t| t.string(:login,:password) end |
と少ないコードで書けるようになる。また
<% form_tag(:action => 'create') do |f| %> <% f.submit %> <% end %> |
といった記述もできるようになる。
JRubyに関心集まる,Railsも動作
他にもDave Thomas氏やzefrank氏,RubyGems の主要開発者Chad Fowler氏(今年のカンファレンスは彼が司会を担当していた)など有名な開発者が参加していた。
JRubyについてもこのカンファンレンスでは何度も耳にした。JRubyはJavaで実装されたRubyインタプリタで,JRubyの主要開発者であるCharles Nutter氏とThomas E Enebo氏は,米Sun Microsystemsに入社し,業務としてフルタイムでJRubyを開発している。
JRuby on Railsというセッションまであった。スピーカーは他ならぬNutter氏とEnebo氏である。Railsへの対応はまだ完全ではないが,動作するようにはなってきているようだ。
来年のRailsConfは2008年5月29日から6月1日にかけ,今年と同じ会場のポートランド コンベンションセンターで行われるとのこと。これから来年にかけていくつものRailsアプリケーションが世界中で注目を浴び,Ruby on Railsがさらに盛り上がることを期待している。
◎関連資料
◆RailsConf 2007公式サイト
◆RailsConf 2007プレゼンテーション資料
◆RailsConf 2007 Wiki
◆Fiickr : RailsConf2007
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