SaaSについて,「詳細まで知っている」「概要は知っている」「言葉は知っている」を合わせた,認知度は65%に上る。日経コミュニケーションが2007年4月,426人の読者モニターを対象に調査した結果である(回答数は172件)。今回は,アンケート結果から見えたオンデマンド型サービスの利用実態を紹介する。

 日経コミュニケーションでは4月,企業ユーザーのオンデマンド型サービスの利用実態を調べるため,サービスの利用意向についてWebアンケートを実施した。結果を見ると,利用企業はメールなら約5割,CRMなら約1割とばらつきがあるものの,SaaSに対する関心の高さが浮き彫りになった。

 結果を見ると,利用状況はアプリケーションによってばらつきがある。最も利用企業が多いのが電子メールで「ほぼ毎日使っている」が54.1%,グループウエアでは36.6%に達した。特に従業員数が500人以下の中小規模の企業での利用が多い。これに対して財務会計や給与計算は「ほぼ毎日使っている」が25.0%,CRMサービスは11.0%である(図1)。

図1●オンライン・サービスの利用傾向は,アプリケーションの種類によってかなりばらつきがある
図1●オンライン・サービスの利用傾向は,アプリケーションの種類によってかなりばらつきがある
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 ユーザー企業のSaaSに対する認知度は高く,関心を持つユーザーが多いことがうかがえる。「SaaSという言葉を知っているか」という問いに対しては,「詳細まで知っている」が5.8%,「概要は知っている」が32.0%,「SaaSという言葉は知っている」が26.7%で,約65%がSaaSを知っていることが分かった(図2)。

図2●約7割の企業が「SaaS」という言葉を既に知っており,関心の高さがうかがえる
図2●約7割の企業が「SaaS」という言葉を既に知っており,関心の高さがうかがえる

 認知度の向上とともにSaaSのメリット/デメリットの理解も進んでいる。メリットと感じる点としては「導入作業が不要で,すぐに利用を始められる」と「システム運用の手間を省ける」がそれぞれ70%を超えた(図3)。「短期間だけ利用できる」「システム費用を経費としてランニング・コストにできる」がこれに続いた。

図3●オンライン・サービスについて,ユーザーがメリットだと感じている点る
図3●オンライン・サービスについて,ユーザーがメリットだと感じている点
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