米Microsoftは4月に公開した「Outlook 2007」の修正プログラムで,Outlookのメールボックス・サイズが大きくなると生じるパフォーマンスの問題を修正した。筆者もOutlookのパフォーマンスが低いと感じることがあったので,このパッチを適用してみたところ,期待通りの結果が得られた。しかしこれとは関係なく,パフォーマンスを劇的に改善させる方法がある。「Exchangeキャッシュ・モード」をオフにするのだ。

 Outlookのメールボックス・サイズが大きくなるとパフォーマンスに問題が生じた原因は,Outlook 2007が全文検索システム「Windows Desktop Search」に対応したためだという。容量の大きな.ostファイルまたは.pstファイルを使用すると,Outlookのパフォーマンスは大きく低下し,時に予測できない事態が発生していた。修正プログラムを適用することによって,大きなファイルを使用しても,Outlookのパフォーマンスは低下しなくなった。

 それでもOutlook 2007のパフォーマンスに不満を感じているのなら,「Exchangeキャッシュ・モード」をオフにしてみるのも1つの手だ。「Exchangeキャッシュ・モード」とは,「Outlook 2003」と「Exchange Server 2003」で実現した,Exchangeのメール・ボックスのデータをクライアントのOutlookにキャッシュしておく機能だ。つまり,メール・ボックス・データを信頼性の高いサーバー上に置いておける一方で,ネットワークやサーバーがダウンした状態でも,キャッシュを使ってメール・データを継続して利用できるのだ。多くのOutlookユーザーと同様,筆者もOutlook 2003でExchangeキャッシュ・モード」が搭載されたことを大歓迎した。

 しかし,筆者は最近「Exchangeキャッシュ・モード」をオフに切り替えた。こう決断したのは,「オフライン・モード」の長所をべた褒めする友人からの電子メールがきっかけだった。この友人にとってのオンライン・モードの最大の長所は「旅行中やネットワークに接続できない環境にいるときに,電子メールを全く利用できなくなるので,よい息抜きができること」であるという。筆者が使用しているデスクトップ・コンピュータも,ネットワーク環境が整っているが,ディスクの容量も限られているので,オンライン・モードを試すことにした。

 テスト結果をご報告しよう。オンライン・モードの使用感は今のところ快適だ。このマシンで使用している3つすべてのサーバーは迅速に稼働しており,管理も簡単で,ネットワーク接続も問題ない。ノート・パソコンのキャッシュ・モードは,有効のままにしている。友人はああいうが,筆者は旅行中も電子メールにオフラインでアクセスする必要があるからだ。

 なお,Outlookの「迷惑メール処理機能」を使うのなら,キャッシュ・モードは必須だ。この機能は,Outlookがオンライン・モードの場合は利用できない。さらに,キャッシュ・モードには,サーバーが完全にダウンしてしまわない限り,途切れることなく電子メールが配信されるというメリットがある。この最後の利点を甘く見てはいけない。電子メールが途切れることなく配信されることこそが,多くのユーザー(そして管理者やヘルプ・デスクの担当者)が,キャッシュ・モードを使う一番の理由なのだ。