フリー・エンジニア
高橋隆雄 フリー・エンジニア
高橋隆雄

 今回は第20回に続き,Asterisk 1.4(機能紹介の記事)のインストール(後編)をお届けする。実際にAsteriskが稼働するところまでを試してみよう。

 前回に引き続きAsterisk 1.4のコンパイルからインストールまで順を追って説明しよう。前提となるZaptelのインストールは前回の記事で解説しているので,まだお読みでない方はそちらを先にご覧いただきたい。

必要なパッケージの追加

 Asterisk 1.4のインストールにあたっては,「GNU C++」(関連サイト)が必要となるのでパッケージを追加しておく。なお,それ以外に必要な追加パッケージは,前回のZaptelインストール時に作業しているので,前回の記事を参照してほしい。

# yum install gcc-c++

 gcc-c++を追加すると,その他の必要な複数のパッケージも選択されるので,それらをすべてインストールすればよい。

Asteriskの入手とインストール

 Asterisk(オープンソース版)は現在,tar+gz形式にアーカイブされたソースをFTPサイトなどから入手する方法と,バージョン管理システムであるsvn(Subversion,関連記事)で入手する方法がある。最新の開発版を入手したい場合以外は,tar+gz形式の安定版を使う方が安心である。以下のようにwgetで米ディジウムのFTPサイトから入手するのが簡単だろう。本稿執筆時点の最新バージョンは1.4.4である。

 入手したらこれを展開し,以降の作業はAsteriskのソースを展開したディレクトリで作業する。

# tar zxvf asterisk-1.4.4.tar.gz
# cd asterisk-1.4.4.tar.gz

 まず最初にZaptelがインストールされ,起動していることを確認しておく。Zaptelがインストールされていないと一部のアプリケーション(MeetMe音声会議など)がコンパイルされないためである。

 次にZaptelと同じく,コンパイルする前にconfigureを実行する。環境にもよるが数分以内で終了するはずだ。

# ./configure

 もしもconfigureが終了しても写真1のようにAsteriskのロゴが表示されず,エラーで終わる場合には必要なパッケージが不足していることが考えられる。前回の手順と今回の手順をもういちどよく確認してほしい。

写真1●Asteriskのソースを展開し,configureが成功した際に出る画面
写真1●Asteriskのソースを展開し,configureが成功した際に出る画面

 configureが完了したらmakeを実行するが,以前にも紹介したようにmake menuselectという機能がAsterisk 1.4から取り入れられている。まずmake menuselectを実行してみることにしよう。

# make menuselect

 必要なプログラム類がコンパイルされた後に,写真2のようなメニュー画面が表示される。カーソルの移動はカーソルキーを使う。前に戻るのは[ESC]キーを使う。選択または選択解除は[Entrer]キーを使い,保存終了は“X”キー,保存しないで終了は“q”だ。

 例えばメニュー画面(写真2)からチャネル・ドライバ(3.Channel Drivers)を選択してみよう。写真3のようになっているが,“*”で表示されているものはコンパイル/インストールされるもの,“XXX”で表示されているものはコンパイル/インストールされないものである。

写真2●「make menuselect」実行後,必要なプログラム類がコンパイルされた後に表示されるメニュー画面
写真2●「make menuselect」実行後,必要なプログラム類がコンパイルされた後に表示されるメニュー画面


写真3●メニュー画面のチャネル・ドライバー(3.Channel Drivers)の例
写真3●メニュー画面のチャネル・ドライバー(3.Channel Drivers)の例