テレビや新聞などのマスコミは,昨年11月以来,続発する東証のシステム・トラブルについて,その責任を追及する報道を続けている。そしてさまざまな人たちが,それぞれの立場で,東証の問題を指摘している。しかし,「どうすればよいのか」という根本的な解決策は出てこない。「あまりにも多くの問題が複雑に絡み合っており,即,解決するのは難しい。まずは時間が必要だ」というのが,金融分野やシステム分野における関係者・有識者の本音ではないだろうか。

 金融とITを専門分野としてきた筆者は,多くのマスコミ関係者から東証の問題について,コメントを求められてきた。ただ,筆者は東証のシステムの詳細を知らないため,コメントするのは基本的に避けてきた。

 ただ少なくとも言えるのは,一連の「東証システム問題」は,東証固有の問題から発生したわけではない,ということだ。

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  • システム力強化と競争原理の導入が再生の道 後編