夏休み前に発生するアクセス数の急増が,「旅ぷらざ」のシステム担当者にとって頭痛の種だった。旅ぷらざは,日本旅行が提供する宿泊や交通の予約サイト。夏休み前は宿泊の空き情報を検索するユーザーが殺到するため,例年,アクセス数が跳ね上がる。

 その結果,サーバーがリクエストを処理できず,ユーザーへのレスポンスが悪化する。数十秒も待たせたり,ページが見つからないことを示す「404エラー」を返したりすることも珍しくなかった。

 「できることは何でもやろう」。2004年4月,山本康二郎氏(営業企画本部 メディアミックス営業部 旅ぷらざチーム 係長)をリーダーとするチームの奮闘が始まる。この年は夏休みを越えてもアクセス数が沈静化せず,秋から冬へと右肩上がりでアクセス数が増え続けた。1日平均のCPU使用率が60%になるというシビアな状況が続いた。2004年4月から約10カ月をかけ,今年2月にようやく大変な状況を脱した。

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