キックオフもできないまま4カ月が過ぎた――。

 日本コムシスなど3社の経営統合に伴うシステム共通化のプロジェクトは,最初から難航を予感させた。藤本晴彦氏(日本コムシス ITビジネス事業本部 ソリューション部 社内IT部門 担当課長)らに課せられたプロジェクト完遂のリミットは2005年4月。遅れは許されない。しかし,各社の経営層の了解を取り付けるのに手間取ってしまう。必然的に,開発期間にそのしわ寄せがきた。

 マスター・スケジュールを作成した段階で,既にギリギリだった。システム開発の現場では,時間に追われる日が続いた。システム共通化プロジェクトの立ち上げから,無事に新システム稼働にこぎ着けた2005年4月までの軌跡を追う。

  • 経営層との話し合いに時間を費やす <上>
  • 移行システムで遅れを取り戻す <下>