「6月30日に,ボトルネックだった負荷分散装置の入れ替えを終えた。あと数日対策が遅かったらと思うとぞっとする」――。松井証券のWebシステムを運用する日本フィッツの中川秀文システム技術基盤事業部長は,2003年7月3日に同サイトを襲ったアクセスの急増をこう振り返る。この日は,東証一部の売買高が14年ぶりに21億株を超え,オンライン証券各社に大量のアクセスが襲い掛かった。

 DLJディレクトSFG証券も,事前に対策を打ったおかげでこの日を乗り切れた。2003年6月には,DBサーバーのキャパシティを増やすため,より高速なCPUに入れ替えていた。それでも,7月3日には「DBサーバーのCPU使用率が90%以上に跳ね上がった」(執行役員システム部長 原田勉氏)。

 この2社に限らず,オンライン証券各社のアクセス数は2003年夏以降急伸。最近もその傾向が続いており,2004年1月13日には「2003年7月のピークを超える注文・約定を受けた」(Meネット証券 システム部長 田中誠一氏)。このような状況下でも問題なくアクセスを受け止められているのは,日々に「キャパシティ・プランニング」を実践しているからだ。

  • ピークの2倍のキャパシティ <上>
  • UNIX機は納入に2カ月かかる <下>