前回のコラム「HTMLを知らずにできるブログ検索SEO」で、記事をエントリーするタイミングを考えることで、ブログ検索からの効果的なサイト誘導が行なえることについて説明した。しかし、当然のことながらブログ検索SEOにも、通常のウェブ検索を対象としたSEOと同様、アクセス増の大きな鍵として記事のタイトルや文章に盛り込むキーワード選びがある。そこで、今回は前回に引き続きブログ検索SEOについて、キーワード選びという視点から考えてみたい。
まず、ブログ検索を対象としたキーワード選びの際に注意すべきは、ウェブ検索と同様の視点で安直にキーワード選びをしないということだろう。なぜなら、ウェブ検索とブログ検索を対象としたSEOでは、キーワードの選び方も当然変わってくるからだ。
2006年12月に「Ask.jp Official Blog」で発表された「Ask.jp 2006年検索キーワードランキング」には、ウェブ検索の検索数トップ10にランキングされたキーワードと、ブログ検索の検索数トップ10にランキングされたキーワードが公開されているので、まずはそちらをご覧いただきたい。
■ Ask.jp 2006年検索キーワードランキング
ウェブ検索 ブログ検索
1位 mixi W-ZERO3
2位 YouTube 上川隆也
3位 au 綾瀬はるか
4位 壁紙 株
5位 JR メタルマクベス
6位 Amazon 長澤まさみ
7位 JAL SMAP
8位 顔文字 Wii
9位 2ちゃんねる 伊東美咲
10位 郵便番号 小池徹平
記事内の総評によれば、『インターネットサービスや企業情報など実用的情報の検索は「ウェブ検索」、タレントや話題の商品などの評価、口コミの検索は「ブログ検索」』が上位を占めるとし、ユーザーが検索用途に応じて各検索サービスを使い分けていると分析している。
このようにブログ検索で話題のタレント名や商品名(映像コンテンツのタイトル含む)が検索される傾向は、ブログ検索サイト「テクノラティ」で発表された「2006年検索キーワードランキング」を見ても、ほぼ間違いない事実だといえるだろう。
■ テクノラティ 2006年検索キーワードランキング
1位 W-ZERO3
2位 功名が辻
3位 極楽とんぼ
4位 X01HT
5位 Wii
6位 ライブドア
7位 上川隆也
8位 ウェブ進化論
9位 日本沈没
10位 Mio P350
こう見てみると、ブログ検索の傾向として特に商品名の検索ワードに着目すれば、当然のことながら、企業にとっては日産自動車の「TIIDA BLOG」や東ハトの「暴君ハバネロブログ」のように、商品ごとに公式ブログを用意することで、ブログ検索からのサイト誘導を行なうというのも有効な方法だと言えるだろう。
ただし、ブログのテーマによっては、商品名などを無理に記事のタイトルや文章に盛り込めるわけではない。また、ブログ検索は一定の商品名が長い期間にわたって検索され続けるわけではなく、その時々に注目を集めた旬の商品名が瞬間風速的に検索数が増加することが多い。
そうしたことを考えると、通常であれば「Yahoo!ブログ検索」や「Ask.jp ブログ検索」などで公開している、直近で検索数の多いキーワードを参考にキーワード選びをするの有効だろう。
もちろん、ここまではあくまでも一般論でしかない。個別のブログごとに有効なキーワードは異なるはずだから、本当の意味でSEOを行なうなら、アクセスログ解析などを駆使し、検索ユーザーが自分のブログにいったいどんなキーワードを使って来訪しているかを知るのが、キーワード選びの最善の方策である点だけは、最後に忘れずにお伝えしておきたい。
本コラムは、アウンコンサルティングのサイト 「(((SEM-ch))) 検索エンジンマーケティング情報チャンネル」に連載中の「SEM特撰コラム」を再録したものです。同サイトでは、SEOや検索連動型広告など検索エンジンマーケティング(SEM)に関する詳しい情報を掲載しています。