Red Hat Enterprise Linuxから商標などを取り除いたフリーなクローン環境として人気のあるCentOSの新版が,RHEL 5のリリースに合わせて「CentOS 5」としてリリースされた。

 クローンであるため,RHEL5と同様,以下の新たな特長を備えている。

  • Sabayonによるユーザープロファイルのサポート
  • Xenによる仮想化のサポート
  • クラスタリングのサポート
  • ストレージクラスタリングのサポート

     Sabayonのサポートは,デスクトップ環境のデフォルトを複数のユーザーで共有したい場合に便利だ。複数マシンの設定を集中管理する「Stateless Linux」やLDAPディレクトリと組み合わせると大量のクライアントの管理が可能になるが,CentOS 5の段階ではStateless Linuxは開発中のステータスになっているため,今回はSabayonの基本的な使い方を確認してみた。

     また,仮想化についてはFedora Core 6で評価したXenと「Virtual Machine Manager」の組み合わせがCentOS 5でも使用できるので,動作を確認してみた(関連記事「Linuxウォッチ第30回 Intel Macにも対応したFedora Core 6をMacBookで試す」

     クラスタリングおよびストレージクラスタリングのサポートは,CentOSのベースであるRed Hat Enterprise Linuxでは従来別のソリューションパッケージとして扱われていたものがRHEL5になる際に製品に組み込まれるようになったものだ。より大規模な構成と,FibreChannelによるSAN(Storage Area Network)などを基盤にしたクラスタシステムが構築できる。今回は時間の関係もあって評価が行えなかったが,近いうちに使用感などを本コラムにて紹介したい。

     それでは早速インストールを行ってみよう。

    インストールはシンプル

     インストールメディア用のISOイメージはミラーサイトなどからダウンロードできるが,CDメディアは6~7枚と非常に多くなってしまっているので,DVDが読めないなどの事情がない限りはDVDメディア用ISOイメージをダウンロードして使用したい。