(イラスト・アニメーション:岸本ムサシ)
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今回の回答者: 山口 真一 日立電線 システムエンジニアリングセンタ 配線システムグループ マネージャー |
イーサネットで使うLANケーブルには「カテゴリ5」や「カテゴリ5e」など,いくつかの規格があります。ギガビット・イーサ(1000BASE-T)に対応するのはカテゴリ5e(Enhanced Category 5)のケーブルです。カテゴリ5eは,従来100Mビット・イーサネットで使われてきたカテゴリ5よりもノイズを抑える性能などが高くなっています。
その理由は,100Mイーサの仕様である100BASE-TXと1000BASE-Tでは通信のしかたが違うためです。LANケーブルの中には4対(8心)の銅線が通っていますが,100BASE-TXではこのうち2対だけを使い,それぞれを送信用と受信用に分けていました。1000BASE-Tでは4対全部を使い,それぞれの対で送信も受信も同時に処理しています。こうすることで伝送速度を上げたのです。
ただ,こうして伝送速度を上げるのは容易なことではありません。例えば,「漏話」の影響が大きくなります。漏話とは,ケーブル内の対同士で信号が漏れてノイズとなることです。1000BASE-Tでは,信号を流す銅線を2対から4対に増やしたことで,一つの対が受ける漏話の元となる線が,1対から3対に増え,大きな影響を受けるようになりました。また,電気信号の微妙な変化でデータを送るので,ノイズの影響を受けやすくなっています。
こうした状況で高速の通信を実現するには,ノイズをなるべく抑えなければなりません。そのため,1000BASE-T向けに決められたカテゴリ5eでは,カテゴリ5よりもノイズを抑える性能が高くなるように規定しました。
LANケーブルの長さや通信条件によっては,カテゴリ5でもギガビット・イーサネットを使えるケースがあります。ですが,安定して利用したいのならカテゴリ5eのケーブルを使う方がいいでしょう。