ファイルの操作には,コピー(複写)や削除,名称変更,移動,中身の閲覧,属性の確認・設定などがあります。今回は,このうち削除と名称変更,移動,コピーの方法を習得しましょう。

ファイルを削除する

 ある特定のファイルを削除したい場合は,rmコマンドを利用します。例えば,rmfileファイルを削除したい場合は,

$ rm rmfile

と入力します。複数のファイルを同時に削除することもできます。例えば,rmfile1とrmfile2を同時に削除する場合は,

$ rm rmfile1 rmfile2

のようにファイル名を列挙します。

ファイル名を変更する

 ファイル名を変更したい場合は,mvコマンドを利用します。oldfileファイルの名前をnewfileに変更するには,次のように入力します。

$ mv oldfile newfile

ファイルを移動する

 ファイルの保存場所を変更(移動)したい場合にもmvコマンドを利用します。移動対象となるファイル,移動先のディレクトリの順に指定します。例えば,カレント・ディレクトリにあるmovefileファイルをtargetdirディレクトリに移動したい場合は,

$ mv movefile targetdir

とします。また,移動対象のファイルを複数指定することも可能です。例えば,mfile1とmfile2を移動したい場合は,次のように入力します。

$ mv mfile1 mfile2 targetdir

ファイルのコピー

 ファイルをコピーしたい場合はcpコマンドを利用します。コピー元のファイル,コピー先の順に指定します。例えば,copyfileファイルをtargetdirディレクトリにコピーしたい場合は,

$ cp copyfile targetdir

とします。また,mvコマンド同様にコピー元のファイルを複数指定することもできます。

 カレント・ディレクトリに他のファイル名で複製することも可能です。例えば,srcfileをdistfileというファイル名で複製したい場合は,次のように入力します。

$ cp srcfile distfile

処理の問い合わせ

 ファイルの削除や移動,コピーでの上書きのようにファイルの消失を伴う操作をするときには,本当にそのファイルを削除しても構わないかを確認しながら処理したいことがあります。その際には,それぞれのコマンドに「-i」オプションを指定します。すると,ファイル削除の前に,処理して良いかを問い合わせてきます。

$ rm -i document.txt
rm: remove regular empty file `document.txt'?

 処理しても良ければ「y」または「yes」と入力します。また,逆にファイルを残したい場合は「y」や「yes」以外の文字を入力するか,そのまま[Enter]キーを入力します。

 逆に,処理中の問い合わせが一切不要な場合は「-f」オプションを付けます。

各コマンドの詳しい使い方などについては,「Linuxコマンド集」を参照ください。また,「Linuxコマンド逆引き大全」で,行いたい処理内容からコマンドの使い方を調べられます。
■変更履歴
ファイルのコピーで「mv」としていましたが,正しくは「cp」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/12/08 18:40]

出典:日経Linux 2005年7月号 174ページより

記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。