Linuxのファイル・システムは,ツリー(木)構造になっています。ファイル操作などをする際には,現在のディレクトリ位置(場所)を確認して,より作業しやすい位置に移動することがよくあります。現在のディレクトリ位置の確認方法や,ディレクトリの移動方法を覚えておきましょう。
現在のディレクトリを確認
現在,作業しているディレクトリ(カレント・ディレクトリ)のパス(ディレクトリ・ツリー)を知りたい場合は,pwd(print working directory)コマンドを使います。
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すると,ルート・ディレクトリから見た現ディレクトリの位置が,スラッシュで区切られながらフルパスで表示されます。
ディレクトリの移動
cd(change directory)コマンドの後ろにディレクトリを指定することで,指定したディレクトリに移動できます。例えば,/usr/localディレクトリ移動したい場合は,以下の様にします。
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また,移動先を何も指定しなかった場合,ユーザーのホーム・ディレクトリに移動します。
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さらに,ディレクトリの指定には表1のような特殊な記号を用いることもできます。
表1●ディレクトリの指定に使える,特別な意味を持つ記号 |
例えば,現在いるディレクトリより1つ上の(親)ディレクトリに移動したい場合は,以下の様にします。
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ディレクトリを記憶しながら移動する
pushd(push directory),popd(pop directory)コマンドを使うことで,ディレクトリを記憶させながら移動できます。例えば,ホーム・ディレクトリからpushdで/usrディレクトリへ移動したとしましょう。
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すると,ディレクトリの移動とともに,元のディレクトリに加え,移動後のディレクトリが保存されます。pushdの実行後に表示された「/usr ~」は,現在のディレクトリが「/usr」であり,また移動前のディレクトリがホーム・ディレクトリ(~)であることを表しています。
popdコマンドを実行すると,現在のディレクトリに移る1つ前のディレクトリへ移動します。つまり,前述した例であれば,ホーム・ディレクトリに移動します。
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