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Javaの最新仕様に対応した統合開発環境 NetBeans IDE

2007/06/06
サン・マイクロシステムズ 片貝 正紀
出典:日経Linux 2007年1月号  
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

ジャンル:統合開発環境(IDE) ライセンス:CDDL
作者:NetBeansコミュニティ URL:http://www.netbeans.org/

 NetBeans IDEは,オープンソースのJava用統合開発環境である。企業向けJavaの最新仕様「Java EE 5」に対応する。デスクトップ上で動作する小規模ソフトから,企業で利用する大規模ソフトまでを幅広く開発できる。

 NetBeans IDE(以下,NetBeans)は,米Sun Microsystems社(以下,Sun)などが支援するNetBeansコミュニティで開発されている統合開発環境(IDE)だ。マウス操作でGUIを作成できるビルダー「Matisse」,Webサーバー機能を備えるServlet/JSP(JavaServer Pages)コンテナ「Apache Tomcat」,バージョン管理機能,デバッグ機能など,Javaのアプリケーション開発に必要な機能一式が含まれる。インストールしてすぐにJavaアプリケーションやWebアプリケーションなどの開発を始められるのが大きな特徴である。

 NetBeans自体がJavaで書かれているため,WindowsやSolaris,Mac OS X,Linux*1などJavaの仮想マシン(VM)が動作するさまざまなOS上で利用できる。

 NetBeansは,英語版に加えて,日本語版も提供されている*2。日本語環境は言語パックを追加する形ではなく,インストーラ自体に含まれるため,日本語環境を導入したり,日本語環境に切り替えたりといった操作は不要だ。インストール後から日本語で作業ができる(写真1)。

写真1●NetBeans IDE 5.5日本語版
写真1●NetBeans IDE 5.5日本語版
Fedora Core 5上で動作させた。メニューやボタン,オンライン・ヘルプなどはすべて日本語化されている。  [画像のクリックで拡大表示]

 最新のNetBeansはバージョン5.5である。旧バージョン5.0では,NetBeans用のプラグイン・モジュール開発環境やGUIビルダーなどの新機能が追加されたが,今回のバージョン5.5では待望の企業向けJavaの最新仕様「Java EE 5」のサポートが追加されている。

 具体的には,EJB(Enterprise JavaBeans)コンテナ「EJB 3.0」やWebサービス用のAPI「JAX-WS 2.0」,オブジェクトとリレーショナルのマッピングを不要とするAPI「Java Persistence API」などの最新技術をサポートする。「Sun Java System Application Server PE 9」*3などのJava EE 5準拠のWebアプリケーション・サーバーを統合し,Java EE 5に対応するアプリケーションが開発できるようになっている。

 また,バージョン5.5では,プロジェクトやコードのスケルトン(骨組み)が簡単に作成できるようにウィザードが多数追加されている(表1)。「Java BluePrints」と呼ばれる豊富なサンプル,エディタでのコード補完やヒント機能,コード・テンプレートを簡単に追加できるパレットなどもサポートしている。

表1●サポートしている主なプロジェクト(アプリケーション)とファイル
表1●サポートしている主なプロジェクト(アプリケーション)とファイル
[画像のクリックで拡大表示]

GUIビルダー「Matisse」

 バージョン5.0からであるが,NetBeansには強力なGUIビルダーが用意されている。従来,Javaで凝ったGUIを作成する場合,GridBagLayoutクラスを用いて,GUIのレイアウトを記述するのが一般的だった。ただコードからGUIをイメージすることが困難なため,GUI開発のためのAPI「Swing」を用いてGUIアプリケーションを作成する際の大きな負担になっていた。

 NetBeansのバージョン5.0およびバージョン5.5では「Matisse」と呼ばれるGUI作成用のビルダーが付属し,GUI作成の作業効率が画期的に向上している。Matisseを用いると,マウスを使ってGUI部品を配置するだけで本格的なGUIを備えたアプリケーションを簡単に作成できる(写真2)。

写真2●GUIビルダー「Matisse」
写真2●GUIビルダー「Matisse」
左側のパレットからドラッグ・アンド・ドロップしてGUIのコンポーネントを張り付ける。コンポーネントはガイド・ラインに従って簡単に位置合わせができる。  [画像のクリックで拡大表示]

 Matisseはまた,Swingを用いたGUIアプリケーションの開発に加えて,NetBeansのプラグインやNetBeans上で動作するデスクトップ・アプリケーションの開発にも使用できる。

プラグインで機能拡張

 NetBeansでは,プラグイン・モジュールを追加することにより,容易に機能拡張が行える。実は,Sunが提供している商用の開発ツール群「Sun Java Studio Creator」や「Sun Java Studio Enterprise」,「Sun Studio」などは,NetBeansに複数のプラグインを組み込んで開発した製品だ。これらの製品は順次オープンソース化される予定であり,将来は必要なプラグインを一つにまとめたアドオン・パックとして提供される見込みである。

 表2に,現在提供されているアドオン・パックを示す。デスクトップ・アプリケーション開発のプラットフォームになる「NetBeans Platform」や,アプリケーションをプロファイリングしてボトルネックやメモリー・リークの原因を究明するための「NetBeans Profiler」(写真3),Javaのプログラミング教育向けのソフト「BlueJ」 からのステップアップを支援する「NetBeans BlueJ」などが提供されている。

表2●アドオン・パックの内容
表2●アドオン・パックの内容  [画像のクリックで拡大表示]

写真3●アドオン・パックの一つである「NetBeans Profiler」
写真3●アドオン・パックの一つである「NetBeans Profiler」
アプリケーションの詳細なプロファイリングができる。パフォーマンスの低下やメモリー・リークの問題を解決する有効な手立てとなる。  [画像のクリックで拡大表示]

 アドオン・パックのリリース形態や日本語版の提供時期などの情報は,NetBeans日本語サイト(後述)や「Sun Developer Connection」で確認できる。

>>NetBeansのインストール
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