PHPのリリースでは,多くのセキュリティ脆弱性が修正された5.2.2のリリース候補版が公開された。また,PEARの運営組織の抜本的な改革も行われる。

PHPリリース関連情報

PHP 5.2.2RC1がテスト公開

 PHP 5系のリリースマネージャであるIlia氏は,4月11日,PHPの最新バージョンである5.2.2のリリース候補版であるPHP 5.2.2 RC1を公開した(http://downloads.php.net/ilia/)。このバージョンは,報告されたセキュリティ脆弱性への対応と,60を超えるバグ修正が中心である。

 改良された内容としては,Perl互換正規表現ライブラリ(PCRE)のアップグレードや,バンドルされているGDライブラリのアップデートが含まれる。また,今回のアップグレードでは数多くのセキュリティフィックスが施された。特に,前回のPHPウォッチでも紹介したサイトThe Month of PHP Bugs(以下、MOPB)でのバグ対応も含まれているため,正式リリースの際には迅速にアップグレードすることが望ましい。なお,予定通りに進むと4月26日に第2次リリース候補版が,5月の初旬に正式版がリリースされる見込みである。

PHP 4.4.7RC1がテスト公開

 同様に、MOPBに対応したセキュリティフィックスを中心として、PHP 4.4.7のRC1が公開された(http://downloads.php.net/derick/)。こちらもPHP 5.2.2と同じスケジュールで正式リリースが行われる予定である。正式リリースの際には、PHP 4系を使用している方は、迅速にアップグレードを行いたい。

今後のPEARの運営方針が決定

 2月22日より3月8日にかけて,今後のPEARの運営方針に関する投票が行われた。その結果,PEARの議長(President)と7名のPEARグループ担当者が,開発者の投票を通じて任命され,毎年再投票が行われる仕組みが採用された。また,PEARパッケージは関連性の高いものに整理し,集合体として管理を行うことが提案されている。

 この組織運営が円滑に進むと,パッケージの品質の向上やロードマップの安定性などが期待できる。組織運営の詳細については,こちらを参照してほしい。

 また,この決定を持って2007年5月1日から2008年4月30日までの任期を執行する,議長とPEARグループ担当者の投票が4月20日より10日間、行われる予定だ。

PHP6に向けた進捗の更新

 次期のメジャーバージョンとなるPHP 6に向けた開発の進捗状況が再確認され、プロジェクト管理Wikiが更新された。PHP6の開発については、終わりが見えておらず、リリース日も確定していない。