日本版SOX法(金融商品取引法)への対応について、多くの企業が模索中であることが、日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表した「企業IT動向調査2007」(速報)で明らかになった。

 日本版SOX法対応の認識状況を見ると、「主に会計・財務の業務として認識されている」という企業が57%で最も多く、以下、「主に業務管理の業務として認識されている」(17%)、「主に監査の業務として認識されている」(14%)と続く。

 対応の進行状況を聞くと、「まだ具体的な取り組みに至っていない」企業が40%に上った。次いで「対象となるグループ会社と業務およびリスクの洗い出し、およびマスタースケジュール作成作業を実施中」が21%だった。具体的に着手している企業は、「改善策を講じ定期的に運用の有効性を評価し、さらに改善する仕組みが構築されている」が2%、「対象業務の改善を実施中」が6%と合計でも8%に過ぎない。

 費用の確保状況では、「現段階では必要工数・費用を算定していない」が70%と、予算化に至っていない企業が大半である。さらに「必要工数・費用の概算見積もりを行っており、予算化する予定である」が19%で、「必要工数・費用を確保済み、あるいは確保できる見込みがついている」は10%だった。

 情報システムでの対応については、「情報システムのかなりの見直しが必要」が39%で、「通常のメンテナンスレベルで対応が可能」は34%と意見が分かれる。

 対応の推進で悩んでいる事項を質問したところ、「文書化(対象業務のフローや職務規定など)およびメンテナンス作業が膨大」を1位に挙げる企業が過半数に上った。

図1●日本版SOX法への対応状況
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図2●日本版SOX法対応の見通し
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図3●日本版SOX法対応に関して悩んでる事項
図3●日本版SOX法対応に関して悩んでる事項
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