3枚のアンテナ素子を活用する。
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リコンフィギュアラブル・アンテナをノート・パソコンに適用した例。
リコンフィギュアラブル・アンテナをノート・パソコンに適用した例。
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リコンフィギュアラブル・アンテナに接続する無線通信モジュール。
リコンフィギュアラブル・アンテナに接続する無線通信モジュール。
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フィルタ回路とスイッチ回路,パワー・アンプを集積したFEMチップ。
フィルタ回路とスイッチ回路,パワー・アンプを集積したFEMチップ。
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試作したFEMの顕微鏡像の様子。GaAsプロセス技術で製造した。
試作したFEMの顕微鏡像の様子。GaAsプロセス技術で製造した。
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 米Intel Corp.は性能を動的に再構成して対応できるアンテナやFEM(フロント・エンド・モジュール)向け技術を公開した。いわゆるリコンフィギュアラブル無線技術の一種で,無線LANやWiMAX,携帯電話といった複数の無線通信方式に一つの素子で対応する。Intel社はノート・パソコンなど携帯機器への展開を視野に入れる。2007年4月17日から中国北京で開催中のIDF Spring 2007で公開したもの。

 アンテナ関連でIntel社が公開したのは,携帯電話と無線LAN,WiMAXで合計9バンドの送受信に対応できるリコンフィギュアラブル・アンテナ技術である。銅箔パターンで構成した3枚のアンテナ素子をノート・パソコンの筐体内に格納し,無線通信の周波数帯域に応じて機能させるアンテナ素子を切り替える。狭帯域特性のアンテナを,複数の帯域にあわせて切り替えて活用する格好だ。「すべての無線通信に対応できるような広帯域のアンテナは,雑音が大きく利得も一様でない。リコンフィギュアラブル・アンテナが最適解だ」(Intel社)。

 FEM関連では,無線回路のいわゆるアナログ・フロントエンドに相当するフィルタ回路とスイッチ回路,パワー・アンプを集積した試作チップを披露した。制御信号を入力すれば,2.4GHz帯と5GHz帯の無線LANおよび3.5GのWiMAXのいずれの無線通信にも適用できる。詳細は明らかにしていないが,それぞれの帯域に向けた回路をただ集積したのではなく,多数のRFスイッチを集積して特性を制御しているという。今回はGaAsプロセス技術で試作したが,「CMOSプロセスの適用を視野に研究を進めている」という。