「中国とさらに強い協力関係を築きたい。中国の産業界や大学,政府機関との連携をもっと推進する」(米Intel Corp., CTOのJustin Rattner氏)--。Intel社は,中国・北京で開発者会議「Intel Developer Forum(IDF) Spring 2007」を開催した。例年なら米国サンフランシスコで開催していた重要イベントを,あえて今回,北京で開催するという事実を見ても,中国を重要地域と位置付ける同社の強い意志がうかがえる。
初日の2007年4月17日に登壇したRattner氏およびSenior Vice PresidentのPat Gelsinger氏の講演からは,中国への期待感が節々ににじみ出た。生産,開発の拠点と位置付けたほか,巨大な中国市場への絶大な期待をあらわにした。
Rattner氏とGelsinger氏は講演の中で,しばしば「Collaboration(協力)」という言葉を口にした。Intel社は,巨大な中国市場に展開するために中国企業と協力関係が不可欠と捉えており,今回のIDFをその仲間作りや連携強化の機会とみなしている。二人の講演中には,既に協力関係にある中国企業の幹部が次々と壇上に登場し,共同開発の成果などを披露した。
例えばパソコンのファームウエアを手掛ける中国Great Wall Computer Shenzhen社,サーバ技術を手掛けるInspur Group社,検索最大手の中国Baidu社,ノート・パソコンを中国Lenovo社の幹部が登場した。大学関係者からは,Intel社のマイクロプロセサを活用してビデオ解析処理技術の開発を手掛ける精華大学の教授 Shiqiang Yang氏が登壇したほか,Intel社が中国に構える研究所と共同開発を進める教員らが多数ビデオ出演した。
基調講演には,研究開発の新たな成果や進捗状況の報告,近く量産出荷を始める製品の紹介などにも時間を割いた。具体的には80コア・マイクロプロセサの性能評価や,中国・大連に建設する半導体工場の概要,45nmプロセスで製造する最新プロセッサ「Penryn」(開発コード),相変化メモリー(PRAM:Phase-change RAM)などである。個々の発表の詳細は別記事にて紹介する。