米Adobe Systemsは,ユーザーがWindows Vistaで問題なく動作する製品を必要とする場合,新しいバージョンを有償で購入する必要があると主張している。その理由は,Adobeには,現在出荷されている製品がMicrosoftの新しいOSで正常に動作することを確認する計画がないためである。

 「2007年1月30日現在,すべてのAdobe製品はWindows Vistaが一般的に入手可能になる前にリリースされたものであり,この新しいオペレーティング・システムで完全に動作するよう設計およびテストされているものではありません。しかし,多少の問題はありつつも,多くの製品はWindows Vista上で動作します」。Adobeは自社のWebサイトにこのようなメッセージを掲載した(AdobeのWebサイトにあるPDFファイル)。

 「Photoshop Elements 5」や「Adobe Reader 8」などのように,Adobe製品の中には無償で完全にVista互換になるよう更新されるものもあるが,企業で使用されるプロフェッショナル製品の大部分は無償では更新されない。「Adobeは2007年夏に,Adobe Photoshop,InDesign,Dreamweaver,Flash,After Effectsなどのプロフェッショナル製品の次期バージョンのリリースを準備しています。これら現行製品のWindows Vista対応バ―ジョンをリリースする予定はありません」

 言い換えれば,これらのアプリケーションのユーザーがVistaに完全対応するには,料金を払う必要があるということになる。これらの製品の多くは,1ライセンスで数百ドルする。

 Webパブリッシング,ドキュメント制作,ハイエンド・グラフィックなど,様々な分野でAdobeと直接対決することを決定したMicrosoftへの報復として,ユーザーに被害を加えているAdobeに対する批判が各方面から噴出している。今日,Adobeはそれらの批判に対して沈黙を守っている。