筆者はこれまで米Dell製のPDA「Dell Axim 50v」を常用していた。最近,多くの方から「持ち運ぶ携帯機器の数を減らすために,Windows Mobileを搭載した携帯電話とPDAの複合機に乗り換えたらどうか」という提案を受けるようになった。そこで筆者も,Windowsスマートフォンの購入を検討してみることにした。

 筆者は携帯電話機に乗り換えることに,あまり乗り気ではなかった。フォーム・ファクターが変わることによって生じる犠牲(「優れた携帯性」と「十分なキーボード・スペース」のどちらを必要とするか,ということ)や,セキュア・デジタル(SD)メモリーがサポートされていないこと,そしてもちろん価格の高さ--などのためである。

 だが先日,筆者は新しい携帯電話が必要になったので,Windowsスマートフォンも検討してみることにした(過去にカナダResearch in Motionの「BlackBerry」を使ったことはあるが,このデバイスを魅力的だと感じたことはなかった)。「このデバイスはWindowsスマートフォンなのだから,電子メールの処理にも優れているだろうし,携帯電話としての機能も申し分ないはずだ」という自分独自の判断基準を胸に,筆者は店に向かった。その結局購入したのは,韓国Samsungの「BlackJack」(Windowsスマートフォン機)だった。

 この電話機を使いこなすのは驚くほど簡単であるインターフェースが,Windowsデバイスのような構成になっているからだ。このソフトウエアを使うと,自分のMicrosoft Exchange ServerやPOP電子メール・アカウントに簡単に接続できるし,米Cingularの「High-Speed Digital Packet Access(HSDPA)」ネットワーク経由でインターネットにも容易に接続できる。ソフトウエアに搭載されているドキュメント・ビューアを使用すると,わざわざパソコンを使わなくても,.docや.pdf形式のファイルを閲覧できる。

 BluetoothヘッドセットとBlackJackを組み合わせて使うのはとても簡単で,筆者の場合は所有しているヘッドセットの1つをBlackJackに接続するだけでよかった。だがWindows Media Playerを搭載し,microSDをサポートしているBlackJackの機能をすべて利用するために,筆者はステレオのBluetoothヘッドフォンを新たに入手した。このヘッドフォンを使うと,音楽を聴きながら,ハンズフリーで電話をかけられる。2GバイトのmicroSDカードに付属していたSDアダプタを使うと,BlackJackとノート・パソコン,PDAの間で簡単にファイルを転送できる。

 BlackJackは他のWindows Mobileデバイスと同様に,デスクトップ・データとの接続や同期に「Microsoft ActiveSync」を使用している。Windows Vista版のWindows Mobile Device CenterとBlackJackのセットアップはまだ試していないが,近日中に行う予定である。Windows Mobile Device Centerは追加の電子メール・アクセスを提供しているので,筆者の移動範囲の大部分をカバーするCingular社の3G,あるいはEDGEネットワークの範囲内にいる限り,筆者はその場でメールをチェックできる。

 このWindowsスマートフォンは筆者にぴったりである。だが読者の皆様に最適なデバイスは,他にあるかもしれない。重要なのは,自分の勤務スタイルに合致するデバイスを見つけることである。