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BitTorrent創業者にインタビュー,「テレビの代替狙う」P2P合法ビジネス最前線

「劇的」ではないが,確かに速い

 今回の合法的動画配信サービスの立ち上げには大手映画会社など約40社がコンテンツを提供した。現在,米国で映画のネット配信を手掛ける会社は複数あるが(表1),映画やテレビ・ドラマから無料で鑑賞できる個人ビデオ,そして音楽やゲームまで,コンテンツの種類・数では最も充実しているとBitTorrent社は自負している。ナビン社長はコンテンツのネット配信ビジネスが「いずれマイクロソフトとアップル,そしてBitTorrentの3社に集約されるだろう」と自信たっぷりだ。

会 社 名 特  徴
Amazon.com ネット小売最大手が2006年9月に開始
Apple iTunesサービスの一環
BitTorrent P2P技術を利用
CinemaNow 月額会費制。日本に子会社あり
MovieFlix クラシック映画やアダルト系に強み
Movielink 米大手映画会社5社の合弁事業
Wal-Mart 米小売最大手が2007年2月に新規参入
表1 米国の主な映画配信サービス


写真2 BitTorrent.comのサイト。20世紀フォックスやパラマウント映画,MGMなど米国を代表する映画会社がコンテンツを提供
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写真3 BitTorrent社が配布するBitTorrentのクライアント(ダウンロード・ソフト)。日本語表示に対応。接続している相手のIPアドレスも表示される。BitTorrentのプロトコルは公開されているので,BitTorrent社以外が開発・配布するクライアントも多数存在する
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 サービス開始に際し,「できる限り簡単に使えるようにした」とナビン社長は言う。実際に使ってみると,確かに使いやすいように感じた(写真2)。BitTorrent.comの動画配信サービスを使うには専用ダウンロード・ソフト(すなわちBitTorrentのソフト)を入手する必要があるが,この作業は数分で完了し,問題なくパソコンにインストールできた(写真3)。

 さて,肝心なのはダウンロードのスピードである。これは一概に比較できるものではないと思うが,試しに使ってみた限りでは,確かに他社サービスよりも速かった。

 例えば,2007年のアカデミー賞助演男優賞を獲得するなど米国で人気のある映画「リトル・ミス・サンシャイン」。上映時間103分,ファイル・サイズ1.09Gバイトのこの映画を,BitTorrent.comから自宅にダウンロードしてみると,300kビット/秒のDSL回線で65分かかった。一方,ファイル・サイズが870Mバイトの同じ映画を米Movielinkの動画配信サービスから取得するとダウンロード時間は67分であった。ファイル・サイズの差を考えれば,BitTorrent.comの方が明らかに速いという結果になった(なお,今のところ米国では300kビット/秒の回線は動画のダウンロードに適する「ブロードバンド」と考えられていることを付記しておく)。

 ちなみに,同映画の30日間の視聴期限付き(*)ダウンロード価格はBitTorrent.comが3.99ドル(約470円),Movielinkが通常3.95ドルのところ,プロモーション期間中だったので1.58ドル(約186円)だった。

(*)BitTorrent.comとMovielinkのサービスはともに視聴期限は30日間だが,いったんクリックして視聴を開始したら,その時点から24時間で期限が切れるという方式を採用している。

  BitTorrentはその仕組み上(図1),人気のあるファイルほどダウンロードのスピードが速い。「リトル・ミス・サンシャイン」はこの日のBitTorrentのベスト・セラー・リストで第2位につけていたので,比較的高速なダウンロードが可能だったのかもしれない。ただ,米国ではBitTorrentの方が著しく速いといった報道が見受けられるが,現時点ではそこまで劇的なスピードは体験できなかった。


図1 BitTorrentの仕組み。「トラッカー」,「ピア」,「シーダー」,「torrentファイル」,「インデックス・サイト」などから構成される。ユーザーはインデックス・サイトからダウンロードしたいファイルのtorrentファイルを入手。torrentファイルをBitTorrentのクライアントに読み込ませると,自動的にダウンロードが始まる。ダウンロード中でも,ダウンロード済みの部分については同時に他ユーザーへアップロードされることもある。人気の高いファイルほど多くのユーザーが持っているので,高速なダウンロードが可能になる
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 [2007/04/02]
経営とIT新潮流