私ごとで恐縮ですが,我が家の子どもが4月に小学校に上がります。通う学校は,自宅からバスに乗る必要がある程度に離れています。これまで一人で公共交通機関に乗った経験のない子どもですから,しばらくは親が送り迎えをすることになります。とは言え,ずっと送り迎えをするのも非現実的です。どこかのタイミングで,自力で通学してもらうことになると考えています。

 そこで,いざという時に子どもの居場所を把握できるようにと,GPS機能付きの携帯電話を持たせることにしました。遠距離から通う子どもも多い学校なので,学校側も携帯電話を位置確認手段として持たせることには理解があるようです。春休みになり,防犯ブザー機能なども付いた子ども向けの携帯電話を購入・契約しました。

 「携帯電話を持たせておけば,放っておいても大丈夫と考えるなんて親の責任放棄だ」といったコメントをいただくことは想像に難くありません。確かに,電話機を持たせたから安心などと考えるのは,逆にとても危険だと思います。また携帯電話を「使いこなしてしまう」ことによるトラブルもあるのは事実でしょう。それでも,子どもの帰りが予定よりも遅いといった場合に,何も情報が得られない不安におののくよりもずっとマシだろうとの判断です。

 実際に使ってみたところ,若干の設定が必要だったぐらいで,特段に難しいことはありませんでした。親の携帯電話から子どもの携帯電話の位置を確認する操作をしてみたら,きっちりと現在の位置が地図上に表示され,ちょっと感動。当然と言えば当然なのですが,自位置ではなくリモートの端末の位置をピッタリと表示でき,いざという時にも子どもを探し当てられる可能性が高いなと素直に思ったわけです。

 実際,昨年から子どもが小学校に通っている知人によると,この機能が役に立ったことがあるとのこと。下校して普段なら帰宅する時間になっても子どもが帰らず,持たせている携帯電話の位置確認をしたところ帰宅ルートとは違うバスに乗ってしまったことが分かって,事なきを得たそうです。こんな話を聞いていたから,携帯電話を持たせることも“あり”と思うに至ったのかもしれません。

 非常時には防犯ブザー機能と連動して,位置情報やその場の写真を撮影して親の携帯電話にメールを送るような機能・サービスもあります。また携帯電話だけでなく,専用端末で位置を検索したり,万が一の時には警備員が急行するようなサービスもあります。必要悪かもしれませんが,何が起こるか分からない今の時代に,こうしたサービスが万が一の際の安心を与えてくれることも事実だと思います。「子どもが使う」ための携帯電話というよりも,「親が持たせる」意味合いの方がずっと強いのです。

 ITproでは,子ども向け携帯電話の機能やサービスについて,2回にわたる解説記事を掲載しています。

子どもに持たせるケータイをチェック
 【端末編】防犯ブザーや位置情報で子どもを守る
 【サービス編】GPSで子どもの位置を確認できる安心機能が充実

 基本的な機能やサービスはいずれも似通っていますが,事業者によって細かい部分に違いがあります。進入学の季節に,子ども向けの携帯電話の必要に迫られて検討している読者の方のご参考になれば幸いです。