カタログの模型の前に立つ佐々木啓晶情報システムマネージャー [画像のクリックで拡大表示] |
英国に本社を持つ外資系の半導体・電子部品通販会社、アールエスコンポーネンツ(横浜市)。同社は、法人顧客からウェブサイトや電話で注文を受け付けて、平日18時までの注文であれば即日出荷する体制を敷いている。総取扱点数は10万点、そのうち6万5000点が即日出荷に対応できている。
これだけの商品点数を抱えながら、適正に在庫を管理するにはIT(情報技術)の存在が欠かせない。同社で情報システム部門を率いるのが、佐々木啓晶情報システムマネージャーである。「幅広い品ぞろえをするため、ロングテール型の在庫管理が必要となる」といい、たとえ死に筋であっても、即日出荷できるように限られた倉庫スペースのなかで在庫を管理しなければならない。
同社は1998年の創業当初から様々な業務でITを駆使してきた。これまで、ERP(統合基幹業務)やSCM(サプライチェーン・マネジメント)、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、SFA(セールス・フォース・オートメーション)などのシステムを導入してきた。佐々木マネージャーは、「システムの導入は一通り完了したと思っている。これまでは導入そのものに必死だったが、これからは情報を活用するフェーズになる」と話す。
同社は、2010年までに総取扱点数を45万点、そのうち常時在庫点数を8万3000点までに拡大する計画を立てている。取扱商品の急増に対応するためには、業務プロセスの改革が必要となる。例えば、注文増に対応するためにオペレーターを増員したり、各商品の適正在庫を把握するなど、情報システムを軸にした業務の改革が必要となってくる。これらの改革で、情報システム部門が中心的な役割を果たせるように、システムの「お守り役」からの脱却に取り組んでいる。「社内にある課題に対して、ITがどのようにサポートできるのか考えていきたい」(佐々木マネージャー)と意気込む。
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