• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

Vistaネットワーク完全ガイド

第2回 ブロードバンド向けにTCP通信を強化

根本 浩之,斉藤 栄太郎=日経NETWORK 2007/03/20 日経NETWORK
出典:日経NETWORK 2007年2月号26ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 そのほかのTCP/IPやLANまわりの新機能や強化点についても,ざっと見ていこう。一見地味に見えるが,これまでのWindows XPにはなかった機能で,状況によっては劇的に通信効率の改善できる新オプションなど,どれも注目に値するものだ。

 TCP関連で注目すべきなのは,何と言っても受信ウインドウ・サイズ(RWIN)の自動調整(オート・チューニング)機能である(図1-3上)。RWINとは,TCPで通信する際にまとめて受け取れるデータ量のこと。受信側が送信側に「あとこれだけデータを送っていい」と指示して通信を制御している。

図1-3●TCP通信の基本機能も強化が図られている
図1-3●TCP通信の基本機能も強化が図られている
通信状態を細かく測定してコネクションごとのウインドウ・サイズを最適化するしくみや,回線がふくそう状態に陥ってスループットが低下したりパケットの再送が発生するのを未然に防ぐふくそう通知のしくみが追加されている。
[画像のクリックで拡大表示]

 Windows XPまでのWindowsでは通常,RWINはTCPの規格で定めている上限の64Kバイトまで。これに対し,Vistaでは一気に最大16Mバイトまで増やせるようになった。

 動作時には,まずTCP接続の開始時に使えるかどうかを確認し合う。そして,使えるようなら,帯域と遅延の関係などを細かく測定しながら最大16Mバイトまでの範囲で最適なRWIN値になるよう自動調整する。

 このRWINの拡張と自動調整は,広帯域かつ遅延が大きいネットワークでとくに効果を発揮する。FTTHなどのブロードバンド回線でインターネット上のサーバーから大量のデータを受信するようなケースが典型だ。従来は,どんなに速い回線を使っても遅延が大きいとRWINがボトルネックとなってスループットが頭打ちになっていたからだ。

 もう一つ,「ECN」(明示的なふくそう通知)という機能にも注目したい(図1-3下)。TCPの通信は,「再送が発生したらふくそうが起こったと判断し通信速度を落とす」アルゴリズムを採用している。このとき,途中にあるルーターの状態などは一切関知しない。

 だが,ECNを使えば途中のルーターでふくそうを起こしそうな状態を通知できるようになる。具体的には,ルーターでの処理利用が増え余裕がなくなると,ECNフラグをパケットに書き込む。このパケットをVistaが受け取ると,途中でボトルネックが発生しつつあることを知り,データの送出速度を抑えるのだ。

 ただし,ECNを利用するには,通信を中継する機器と通信相手となるパソコンがいずれもECNに対応している必要がある。このため,VistaではECN機能をデフォルトでOFFにしている。

経路の自動切り替え機能も強化

 Windows 2000以降のOSには,デフォルト・ゲートウエイがダウンしたときに,これを検出してほかのルーターに自動で切り替える「デッド・ゲートウエイ・ディテクション」という機能がある。だが従来は,元のルーターが故障から復帰しても,そのことは検知せずバックアップのルーターを使い続けていた。

 Vistaは,切り替わったあとも元のルーターに定期的にチェック用のパケットを送信してルーターを監視する。そして元のルーターが復帰したときは,元の経路へ戻す「フェール・バック」ができるようになった(図1-4)。

図1-4●TCP通信時のルーター・ダウンの検出と切り替え機能も強化された
図1-4●TCP通信時のルーター・ダウンの検出と切り替え機能も強化された
Windowsは,TCP通信時にデフォルト・ゲートウエイに設定したルーター(あるいはその先の回線)のダウンを検出する「デッド・ゲートウエイ・ディテクション」機能を備えているが,Windows 2000やXPでは切り替え(フェール・オーバー)しかできなかった。Vistaでは,復旧を検出して元に戻すこと(フェール・バック)もできるようになった。
[画像のクリックで拡大表示]

 ドメイン利用時のIEEE802.1X認証のしくみも改善している(図1-5)。Windows XPでは,まずOSにログインしてドメインによるユーザー認証を受けてからしかIEEE802.1Xのユーザー認証を受けられなかった。VistaではOSログイン前にIEEE802.1Xによるユーザー認証を受けてから,続いてドメインの認証されるシングル・サインオン環境が用意された。

図1-5●ドメイン利用時のIEEE802.1X認証のしくみが改善された
図1-5●ドメイン利用時のIEEE802.1X認証のしくみが改善された
Windows Vistaでは,IEEE802.1XによってまずOSログイン前にネットワーク認証を受け,続けてドメインへのログイン認証も連動して行えるようにするシングル・サインオン環境が用意された。
[画像のクリックで拡大表示]

 こういった強化がなされる一方で,Vistaでは古いプロトコルが削られてしまっていることに注意したい。小規模LAN向けのネットワーク・プロトコルである「NetBEUI」や米ノベルのNetWareが使うIPX/SPXプロトコルなどがバッサリ削られている。そもそもOSのインストールCDにさえ入っていないので,これらの通信環境を使っているユーザーはVistaパソコンの導入前に対策を考えておくべきだろう。

あなたにお薦め

連載新着

連載目次を見る

今のおすすめ記事

ITpro SPECIALPR

What’s New!

経営

アプリケーション/DB/ミドルウエア

クラウド

運用管理

設計/開発

サーバー/ストレージ

クライアント/OA機器

ネットワーク/通信サービス

セキュリティ

もっと見る