「Windows Vista」が発売されたことから,そろそろ次期クライアント向けWindowsが気になる人も多いだろう。次期Windowsの開発コード名は,人によって「Vienna」「Windows Seven」「Windows 7」といろいろだ。確実な情報はほとんどないが,現時点で分かっている情報をFAQとしてまとめてみよう。

 なおMicrosofは,今のところViennaを話題にしたくないと考えている(同社のプレスリリース「Microsoft Statement in Response to Speculation on Next Version of Windows」)。MicrosoftのWindowsクライアント・グループ・ディレクタであるKevin Kutz氏は2月13日,「Windows Vistaの発売は,世界中の顧客とパートナにとって素晴らしい出来事だった。現在当社は,Windows Vistaがもたらすであろう価値に集中している。次期Windowsについては,『作業中』であること以外に公式発表できる情報を用意していない。準備ができたら新しい情報を提供する」と述べた。それでも,Viennaの正確な情報を1カ所に集めておく必要はあるだろう。それが,このFAQである。

Q:MicrosoftはWindows Vista後のOSについて作業しているのか?

A:作業している。次期クライアント向けWindowsの開発コード名は「Blackcomb」だったが,2006年初めにWindows Viennaに変わり,ここにきてWindows SevenやWindows 7と呼ばれるようになった。当FAQでは,著者の気に入っているViennaを使う。

Q:Windows 7という名称の由来は?

A:Windows VistaがWindowsのバージョン6.0に相当するため,Viennaがバージョン7.0なのだろう。

Q:「MicrosoftはWindows Vistaを最後にOSのメジャー・リリースを止める」と聞いたが,それは本当か?

A:Windows Vistaは,最終メジャー・リリースではない。Windowsベースのパソコンは,今後もわれわれのデジタル生活における中心であり続けるだろう。さらに最近Microsoftの幹部たちが,「当社はまだまだWindowsを改善できる」と述べている。例えば,音声認識やストレージなどが改善対象になるだろう。

Q:すると,ViennaはWindowsのメジャー・バージョンなのか?

A:メジャー・バージョンではない。Windows Vistaはメジャー・リリースだったが,Viennaは比較的規模の小さい暫定的なアップデートになる。現在Microsoftは,Vienna以外のWindowsをすべてメジャー・リリースとする方向で開発を進めている。

Q:Viennaはいつリリースされるのか?

A:現時点でMicrosoftは,ViennaをWindows Vistaの2年から2年半後の2009年に出荷する計画だ。Windowsの次期メジャー・リリースは,Viennaから2年後の2011年になる(Windows Serverのバージョンアップも,同じ間隔で行う)。

Q:Viennaにはどのような機能が搭載されるのか?

A:表向きMicrosoftは,Vienna向け機能の作業に取り組んでおらず,次期WindowsであるViennaの仕様を検討している最中だ。ただし,多少の機能については明らかになっている。「Office 2007」のリボンUIを作ったグループが開発中の,新しいWindowsエクスプローラが搭載されるだろう。次期Windows Server「Longhorn Server」(開発コード名)の直後にリリースされるであろう「Hypervisor」というWindows仮想化技術も,何らかの形で搭載されそうだ。「Windows Future Storage(WinFS)」も考えられるが,WinFSという名前や形態にはならないと思う。

Q:Viennaは,Windows Vistaと同じく32ビット版と64ビット版の両方を用意するのか?

A:2つ用意せず,ほぼ間違いなく64ビット版だけにする。64ビット版に絞るという判断は,Microsoftのx64移行スケジュールに従っている。

Q:MicrosoftはViennaの前に何らかのWindows用アップデートをリリースするか?

A:リリースする。「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」(開発コード名は「Fiji」)をLonghorn Serverと同時に出す。Fijiは,Longhorn Server用カーネルに合わせてカーネルをアップデートする。このことからFijiを,サービス・パック版メジャー・リリースとみなすこともできる。サービス・パックでカーネルを大幅にアップデートした前例はない。