写真●チャン・フック・ホン ディレクタ(左)と技術者たち
写真●チャン・フック・ホン ディレクタ(左)と技術者たち

 ベトナムのシステム・インテグレータで、最大手のFPTソフトウェアに次ぐ2番手集団の先頭に立つのが「TMAソリューションズ」だ。FPTソフトがベトナム北部の首都ハノイに本社を構えるのに対し、TMAは南部の商業都市ホーチミンに本社を置く。ホーチミンでは最大規模のインテグレータである。

 会社設立は1997年で、技術者数は700人。うち200人以上が5年以上の経験を持つという。ベトナムの企業にしては、ベテラン技術者が多いといえる。

 TMAの主力事業は米国向けのシステム開発だ。中でも通信関連を得意とする。米ノーテルネットワークスや米ルーセント・テクノロジーズ(現・仏アルカテル・ルーセント)などからシステム開発を受託した実績がある。

 ビジネス開発担当のチャン・フック・ホン ディレクタ(写真左)は「ライバルはベトナムでなくインドの企業だ」と強気な姿勢を見せる。インドを意識していることもあり、技術者の人月単価は平均26万4000円(1ドル120円換算)とベトナム企業にしては高めである。

NTTグループから開発を受託

 2006年度の売上高は10億円以上。うち、日本向けの事業割合が10%を占める。日本向けの主な案件は、NTTソフトやNTTデータなどから受託している通信・ネットワーク関連の開発だ。ホン氏は「2~3年後には日本向けの割合を25%に引き上げたい」と意気込む。日本企業からの受託拡大を目指し、06年12月には日本事務所を開設した。

 2010年前後には、技術者を2000人まで増やす計画を立てている。増員に併せて技術者の育成にも乗り出す。08年にも、ソフト工学と日本語などの外国語を教育する大学をホーチミン市内に創立する予定で、現在認可を申請している。初年度は400人の学生を募集する見込みという。