“禅でいよう”、“あるいは禅になろう”、という日常会話がフランス で流行っている。“クールでいよう”、という英語に取って代わった。 「おたく」や禅のような特殊な日本語がフランス語の仲間入りするのと、マンガがフランスの若者の心を捕らえるのは同時に進行し、ついにパリのカルチエラタンに「マンガカフエ」(マンガ喫茶)が開店したのは2006年7月。

 開店したばかりのこの「マンガカフェ」のインテリアデザインが美しい。日本的であろうと、着物や畳を配しながら、マンガのシーンを壁画にあしらい、真っ赤なアクセントカラーを大胆に使う開放的なインテリアだ。入館者は子供もいるが、15年前からマンガにはまった30代が大半だという。アルコールも音楽もなく、ここでソファあるいは畳に座って禅になってマンガを読もう、という仕掛け。フランスでのマンガの消費量は日本に続く2番目だというが、確かに書店のマンガコーナーにはあらゆる日本マンガがならぶ。ちなみに今一番話題のマンガは「Naruto」だという。