概要  
ICMPのecho要求メッセージを送信し,相手とのIPレベルでのネットワークの接続状況を調べる。

 構文  
ping [-L] [-R] [-b] [-n] [-q] [-r] [-c 送信回数] {-f | -i 送信間隔時間} [-l プリロード値] [-p データ・パターン] [-s パケット・サイズ] [-t TTL値] [-w タイムアウト値] [-I LANインタフェース名 | IPアドレス] [-Q TOS値] [-M do|want|dont] 送信相手

または

ping -V


 利用環境  
Red Hat Enterprise Linux 3 ○ (iputils-20020927-11 にて確認)

 オプション 
-Lマルチキャスト・パケットのループバックを抑制する。
-Recho要求パケットにRECORD_ROUTEオプションを設定して経路情報を記録し,返送パケットの経路バッファを表示する。IPヘッダーには,最大で9個までしか経路情報を記録できない。
-bブロードキャスト・アドレスへのecho要求パケットの送信を許可する。このオプションを指定しないと,ブロードキャスト・アドレスへはecho要求パケットを送信できない。
-n送信先ホストにホスト名を指定した場合に,名前解決をしない。コマンドの実行結果の出力時にホスト名を出力せず,IPアドレスのみを出力する。
-q統計情報のみを出力する。一つひとつのecho要求に対する実行結果は出力せず,「Ctrl+C」を押したときに統計情報のみを出力する。
-r通常利用するルーティング・テーブルを無視し,指定した送信先ホストへ直接echo要求パケットを送信する。送信先ホストが直接接続されたネットワーク上にない場合,エラーを戻す。
-c 送信回数echo要求パケットを送信する回数を指定する。指定した回数分のecho要求パケットを送信後,統計情報を表示する。このオプションを指定しない場合,「Ctrl+C」を押すまでecho要求パケットの送信を繰り返す。
-fパケットが戻ってくるとすぐに,または一秒間に100回のどちらか多い回数だけecho要求パケットを送信する。このオプションは,スーパー・ユーザーのみが利用できる。-iオプションとは同時に指定できない。
-i 送信間隔時間echo要求パケットを送信する時間間隔を指定する。このオプションを指定しない場合,一秒間隔でecho要求パケットを送信する。-fオプションとは同時に指定できない。
-l プリロード値指定した数だけecho要求パケットを可能な限り高速に送信したあと,通常のpingと同じ内容を実行する。-iオプションを同時に設定した場合は,echo要求パケットを指定した数だけ高速で送信したあと,-iオプションで指定した送信間隔時間でecho要求パケットを送信する。このオプションは,スーパーユーザのみが利用できる。
-p データ・パターン送信するecho要求パケットのパディング・データのパターンを指定する。パターンは16進数値で指定する。例えば,データ・パターンとして「ff」を指定した場合は,パディング・データがすべて「1」のecho要求パケットが送信される。
-s パケット・サイズ送信するecho要求パケットのサイズを指定する。パケット・サイズは「1」~「65507」 の整数値を指定する。ここで指定した値に8バイトを追加して,echo要求パケットを送信する。
-t TTL値送信するecho要求パケットのTTL(time to live)値を指定する。TTL値としては「1」~「255」までの整数値で指定できる。最大で,ここで指定した回数分のルーターが経由でき,指定回数を超えるとパケットは破棄される。このオプションを特に指定しない場合は,TTL値を128に設定してecho 要求パケットを送信する。
-w タイムアウト値コマンドのタイムアウト値を指定する。ここで指定した時間が経過すると,echo要求パケットの送信,echo 応答パケットの受信を終了する。-cオプションを同時に指定した場合は,このタイムアウト値が優先され,応答タイムアウト値経過後は応答パケットの受信を終了する。
-I LANインタフェース名 | IPアドレスping を実行するLANインタフェースを指定する。ここで指定したLANインタフェースから,echo要求パケットを送信する。IPアドレスを指定した場合は,指定したIPアドレスが割り当てられているLANインタフェースからecho要求パケットを送信する。一つのLANインタフェースに複数のIPアドレスが割り当てられている場合,指定したIPアドレスが送信元アドレスとして指定される。
-Q TOS値送信する echo要求パケットの TOS(type of service)値を「0」~「255」の整数値で指定する。このオプションを特に指定しない場合は,TOS値は0としたecho要求パケットが送信される。
-M do|want|dont通信相手までの経路上の最小MTUを検出する「Path MTU Discovery」の実行について指定する。常にPath MTU Discoveryを実行する場合は「do」を,Path MTU Discoveryを実行するかどうかを経路ごとの設定をもとに判断する場合は「want」を,Path MTU Discoveryを実行しない場合は「dont」を指定する。doまたはwantを指定すると,最小MTUより大きなパケットを送信してもフラグメントは実行しない。
-Vpingコマンドのバージョン情報を表示する。他のオプションと同時に指定した場合,このオプションが最優先され,他のオプションは無視される。


 使用例:通信経路の最大MTUサイズを調べる(クリックで詳細表示)  
ping -M do -s パケット・サイズ IPアドレス