日経マーケット・アクセスが企業・組織の情報システム担当者を対象に行っている月次調査「日経マーケット・アクセスINDEX(日経MA-INDEX):企業情報システム」の2007年1月版では,国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)を対象にユーザーのイメージ(その会社の存在感と,現在の勢い),および今後の利用意向を調査した。

 企業・組織の情報システム担当者が「自分の仕事と接点がある」と感じているベンダー/インテグレーターの上位は,「マイクロソフト」(78.9%)と「NTT東日本/NTT西日本」(68.9%)。この両社は2006年10月調査でもほぼ同じ「接点感」のパーセンテージで,1位と2位を占めていた。

 3位は「トレンドマイクロ」(62.9%)。2006年10月調査の50.0%から大きく接点感を高め,前回並みだった「デル」(62.1%,2006年10月調査では62.2%)を僅差で上回った。

 このほかのセキュリティー関連製品ベンダーでは,シマンテックが微増(50.0%→53.3%),マカフィーが微減(35.1%→33.7%)で,トレンドマイクロの急上昇が目立つ。2006年10月から2007年1月にかけてセキュリティー関連製品には目立った事件はなかったが,各社が2006年9月末に新製品・新バージョンを発表・出荷し,商戦が立ち上がった時期。企業・組織の情報システム担当者にとって,セキュリティー関連製品に目が向く期間ではあったろう。ここでトレンドマイクロの接点感がライバル2社と違って大きく伸びたことは,企業向けセキュリティー関連製品市場でのトレンドマイクロの存在感の強さを示していると言えそうだ。

 2006年10月調査での結果と今回の結果を比較すると,今回の上位30社のうち20社が前回と5ポイント以内の増減の幅の中にあり,“接点感”基本的にはあまり変動していない。その中で大きくアップしたのはトレンドマイクロのほか「サイボウズ」(22.8%→47.1%),逆に急落したのは「グーグル」(51.4%→31.8%)で,上位30社から陥落した。

 今回の調査でSIerとして回答者に評価を求めた企業の中で,「接点がある」という評価で上位30社に食い込んだのは,事務機器に強い富士ゼロックス(44.2%),リコー(41.7%),大塚商会(38.7%)の3社と,SIer業界最大手のNTTデータ(35.5%)。2006年10月調査と全く同じ顔ぶれだった。

 明日(2月21日)と次週2月26日公開の記事では主要ベンダー,SIerに対するユーザーのイメージ(存在感と現在の勢い)を,2月27日公開の記事では主要SIerに対する利用希望の結果を紹介する予定だ。

◆注
 調査実施時期は2007年1月中旬,調査全体の有効回答は2523件,うち情報システム担当者の有効回答は548件。
 情報通信製品/サービス・ベンダーとSIerの主要企業について,「自分の職務領域はこの企業と接点がある」と感じるか,「ない」と感じるかを聞いた。「接点がある」「ない」のどちらも選ばなかった回答は有効回答数(図中のn)に含めていない。「接点がある」率上位30社を掲載した。このほか「接点がある」率で30%以上を獲得したのは,「ソフトバンクモバイル」(n=81,32.1%),「ウィルコム」(n=106,32.1%),「グーグル」(n=107,31.8%),「NECソフト」(n=467,30.6%),「レッドハット」(n=462,30.5%),「リコープリンティングシステムズ」(n=102,30.4%)の6社だった。

図●「職務(情報システム業務)で接点がある」と感じるシステム・インテグレーター,システム関連ベンダー