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Windows Vista徹底解説

「Aero Glass」の真の問題点

Mark Minasi 2007/02/15 ITpro

 筆者は最近,所有する「Acer Ferrari 4000」ラップトップ・パソコンに製品版のWindows Vistaをインストールして,新しいユーザー・インターフェース「Aero Glass」を試してみた。2006年夏に開催された「TechEd」で,Microsoftの講演者がこのパソコンを使ってAero Glassを実行しているのを目撃していたからだ。実際に使ってみて,Aero Glassの利点と真の問題点に気がついた。

Aeroの本当の価値はウインドウ描画の刷新

 Windows VistaのAero Glassは,ビデオ・ハードウエアの分野で「3D(3次元)」と呼ばれる概念を利用している。3Dという単語は,ビデオ・カードが「デススター」(訳注: 映画「スター・ウォーズ」に登場する宇宙要塞)のフルモーション動画やテクスチャなどを即座にレンダリングできるということを意味しているわけではない(なかにはできるものもあるが)。そうではなくて,ビデオ・スクリーンは2D(2次元)の光景を映し出しているものの,Windows GUIは常に2次元よりも少し上の次元(2.1次元と呼ぶことにしよう)を基盤にして構築されている。最近の3Dビデオ・カードが,その事実を理解しているということを言いたいのだ。

 Windows 2.0以来,Windowsは重なって表示されるウインドウを使ってきた。下にあるウインドウの上に現れて,下のウインドウを覆うプラグラム・ウインドウのことだ。この方法だと,Microsoft Wordが実行中で画面の大部分を占めているときに,Wordのウインドウの一部に重なるNotepadのウインドウを開いた場合,Windowsは多少の計算を行わなくてはならない。WindowsはWordとNotepadのウインドウを描画した後,Wordのピクセルのどの部分がNotepadのピクセルの下にきて,画面に表示されないようにするかを決めなくてはいけないのだ。

 このGUIの現実を知らない人でも,既に酷使されているCPUに「どのピクセルがどのピクセルに重なるか」を処理させようとしたときに発生する現象を見たことはあるだろう。専門的な話をすると,このプロセスは「クリッピング」と呼ばれている。アニメや動画を再生中の小さなウインドウを開いて,そのウインドウを画面上でいろんな方向にドラッグしてみよう。すると移動したウインドウの後に,醜い「タイヤのスリップ跡」のようなものを確認できるだろう。この「タイヤのスリップ跡」は,重症のクリッピングの一例である。

 PCに別個のチップを要求することで,Aero Glassは重症のクリッピング問題を解決している。別個のチップとは,CPUに代わってクリッピングを処理するグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)のことだ。GPUによってクリック&ドラッグはスムーズになっている。筆者も,この点は気に入っている。

 だがGPUの多くは,フェードや半透明効果,縮小などの機能を高速に実行できる。そこでMicrosoftは,Aero Glassを使ってこれらの機能を活用することに決め,その結果として時間を浪費する「ばかげた機能」ができてしまった。例えば,Aero Glassで「Alt+Tab」キーを押したとき表示される実行中プログラムの小さなアイコンや,Aero Glassのばかげたベネチアン・ブラインド効果,デスクトップが表示されるときの「パッと光がつく」演出などだ。これらはすべてMacに対する嫉妬心の表れなのだということを筆者は今では分かっているが,それでもばかげているように思える。最初に筆者の脳裏をよぎったのは,「ばかげている」という印象だけだった。

ありえない発熱に遭遇

 だがAero Glassを数日間使ってみると,筆者はこのインターフェースがただ単にばかげているだけではないことに気づいた。このインターフェースは,PCに悪影響を与えるのだ。筆者のFerrariラップトップは,2GHz動作のTurionプロセッサを搭載している。AMDが,(信じられないかもしれないが)最高摂氏95度でも動作すると評価しているプロセッサだ。

 もちろんほとんどの場合,このプロセッサは50度後半から60度中ごろで動作している(筆者は無料ユーティリティの「Speedfan」を使って,温度を監視しているのだ)。しかしAero GlassつきのWindows Vistaを実行しているとき,筆者のシステムは瞬く間に摂氏91度まで上昇し,その温度で留まってしまうのだ。

 どのように対応したかって? それは簡単だ。筆者は,Windows Vistaで使用するグラフィックス・ドライバを,優秀かつ柔軟,そして基本機能のみを備えたSVGAドライバに変更したのだ。そうすると,Ferrariラップトップはアイドリング状態で摂氏50度台まで温度が下がり,筆者の血圧も正常な数値まで下がった。

 誤解しないでほしいのだが,筆者はすべてのWindows Vista対応のラップトップでAero Glassを実行したときの効果について一般的な意見を言えるほど,多くのシステムを持っているわけではない。だが筆者は,他の複数の人のシステムでも同様の現象が起こったという話を聞いている。そして筆者は,湯を沸かせるほどラップトップを熱くするようなOSを使うつもりは全くない。Windows Vistaは非常に魅力的である。「セキュリティ」に重きを置いている組織にとっては,特にそうだ。だがラップトップを高温まで熱することが全導入管理費用(TCO)に与える影響は,途方もないものになる。以上の理由から,企業での展開に備えてWindows Vistaをテストしている人々に,忠告したいことがある。Aero Glassの導入を考えているのなら,実際に展開する前に,システムの温度を点検したほうがいい。

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