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仮想化実践活用術

日経Linux

米VMware社,2種類の仮想化ソフトを公開

統合開発環境との連携が可能に

統合開発環境と連携可能に

 VMware Workstationは開発者向けの製品として位置付けられているため,開発者,テスターなどに有用な機能が盛り込まれている。最も役に立つのは,統合開発環境との連携機能だろう。

 具体的には,Eclipseの統合開発環境(IDE)に,プラグインの形でVMware社が提供するデバッガを適用する。すると,実機のホストOS上で開発したプログラムをゲストOSに自動的にインストールし,ホストOS上のIDEからリモート・デバッグできるようになる。デバック処理は自動化でき,スクリプトを記述することも可能だ。

 この機能を使えば,複数のLinuxディストリビューション,もしくはWindowsのさまざまなバージョンをゲストOSとして用意しておくだけで,各OS向けのソフトウエアのデバック作業が簡単に実行できるようになる。

 この機能はLinux版,Windows版のどちらのVMware Workstation 6でも利用可能だ。このほか,ホストOS,ゲストOSがいずれもWindowsの場合のみ,米Microsoft社のVisual Studioにも対応している。

 VMware Workstationを自動実行する機能も加わった。テスターに役立つ機能だ。同社が公開したプログラミング・インタフェース「VIX API 2.0」を経由することで,C言語,Perl,MicrosoftのCOM(Component Object Model),シェル・スクリプトのいずれかを用いて自動実行できる。

 APIを操作しなくても利用できる単純な機能もある。バックグラウンド実行だ。新版ではゲストOSの動作中にVMware Workstation 6を終了しようとすると,終了するか,ゲストOSをバックグラウンド実行するかを選べるようになった。ここでバックグラウンド実行を選ぶと,WindowsではタスクトレイにゲストOSが実行中であることを表すアイコンが現れる。どのようなゲストOSが実行されているかも分かる。再度VMware Workstation 6を起動すると,バックグラウンド実行中のゲストOSにアクセスできる。

 ホストOSとゲストOSの連携操作を容易にする機能もいくつか追加された。フォルダによるファイル共有と,ドラッグ・アンド・ドロップによるファイルのコピー,テキストのコピー・アンド・ペースト機能である。新版ではSolarisをゲストOSに利用した場合にも同機能が使えるようになった。このため,Linux,Windowsの各ホストOSと,Linux,Solaris,WindowsのゲストOS間で自由にファイルとテキストをやり取りできる。

 ゲストOSの利用に役立つ機能としては,マルチモニター対応,VNCサーバー機能がある。

 マルチモニター対応は,物理マシンに複数のディスプレイ装置を接続した場合に役立つ機能だ。例えば,あるゲストOSをモニター1に,別のゲストOSをモニター2に表示できるほか,1つのゲストOSだけが複数のモニターを独占することも可能になった。各モニターごとに表示画素数も指定できる。

 VNC(Virtual Network Computing)サーバーとは,RFB(remote framebuffer)プロトコルに従って,デスクトップ画面やマウス・キーボードの操作情報をネットワーク経由で送受出するソフトウエア*7である。VNCサーバー機能を仮想マシン自体に組み込んだため,ゲストOSに変更を加えることなくゲストOSの画面を,VNCクライアントをインストールしたリモートのマシンに表示できる。

 そのほか細かい改善点として,VMware Toolsの改良とバッテリ情報の表示がある。VMware Workstationなどでは,表示色数の拡張,ホストOSとゲストOSのクリップボードの共有,性能向上などのためにVMware社が提供する「VMware Tools」と呼ばれるソフトウエアをゲストOSに組み込んで利用する。VMware Workstaiton 6からは仮想マシンに仮想電源を入れた段階でVMware Toolsの自動更新機能が働くようになった。

 バッテリ情報の改良とは,ノート・パソコンでゲストOSを利用する場合,ゲストOS側からもパソコンのバッテリ残量が参照できるようになったこと。フル・スクリーンでゲストOSを利用していても,バッテリ切れを視認できるほか,自動的にシャットダウンする場合などに役立つ。

Mac用仮想化ソフトFusion

 VMware社はこれまで,Linux,Windowsを主な対象として仮想化ソフトを展開してきた。VMware Fusion for Macは,同社初のMacintosh向け仮想化ソフトである*8。米Intel社製のCPUを採用したMacで動作する*9

 VMware Workstationのように開発者,テスター向けの製品ではなく*10,LinuxやWindowsをMacintosh上で利用したい一般ユーザー向けの製品だ。

 機能は無償のVMware Playerとほぼ同等である。ただし,仮想マシン作成機能が備わる点はVMware Playerよりも優れている。

 基本設計はVMware Workstation 6と同等であると考えられる。例えば,VMware社は仮想マシンにVirtual Hardware Versionという番号を付けている。VMware Fusion for Macで作成した仮想マシンのバージョンは,VMware Workstation 6で作成したものと同じ「6」。一方,VMware Workstation 5やVMware Serverでは「4」だ。

 実際,VMware Workstation 6に追加されたUSB 2.0対応は,VMware Fusion for Macでも実現されている。

 仮想SMPに対応している点や利用できるネットワーク構成もWorkstation 6と同じであり,VMware社によると,対応ゲストOSはVMware Workstation 6と同等になる予定だ。

 VMware Toolsをインストールすることで,Mac OS XとゲストOS間でファイルのコピー,クリップボード経由のテキストのコピーが可能になる点も同じだ。

 なお,詳細は不明だが,Mac OS Xにドライバが用意されていないハードウエアであっても,VMware Fusion for Macからは利用できるとしている。

(畑 陽一郎=日経Linux)  [2007/03/08]
出典:日経Linux 2007年3月号  7ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

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