ビジネスで成果を上げるための情報を、社内外問わず活用できる企業あるいは、これを実現する情報システムを指す。ビジネスとシステムの一体化、顧客参加、操作性向上、他社連携などが特徴だ。

 従来、企業の基幹系システムという際には、カネ勘定を扱う会計や生産、在庫、販売などの業務を管理するシステムを指していた。だが企業にとってシステムを利用する目的は、単なる業務の管理ではなく、「臨機応変」、「利用者視点(顧客起点)」、「イノベーション」あるいは「リスクマネジメント」、「企業間コラボレーション」といったことにある。これらに加え、企業としての存続や成長を支えるシステムがEnterprise2.0である。

 Enterprise2.0を実現するシステムの特徴は以下のようなものがある。一つは外部の情報に代表される、これまで未見の情報を取り扱えること。埋もれていた社内情報を使うことも重要だ。従来の「基幹系はバックエンド」、「情報系はフロントエンド」といった区別は意味を持たない。Web2.0に見られる思想や技術を積極的に取り入れる。具体的には、「マッシュアップ」のような手法を使って、外部の情報コンテンツやサービスを簡単に組み合わせ、システムを作る。顧客や開発者が協力しあって、システムを改善していくこともある。 もう一つの特徴はシステムの使いやすさだ。使いやすさは利用者数の拡大を促す。